
グローバルな業績悪化と構造改革で苦境に立たされている日産自動車が、日本国内市場での地位再構築とブランド価値の回復を目指し、本格的な攻勢に打って出た。日産は世界の自動車市場で最も急成長しているコンパクトSUVセグメントに技術力を結集した新型モデルを投入し、再起を期す。
Nikkei Asiaの17日の報道によると、日産自動車は東京で新車発表会を開き、フルモデルチェンジした新型コンパクトSUV「キックス」を日本市場で正式発売した。日産経営陣は、新型キックスの行方が全社的なグローバル再建計画のカギを握ると見ている。
日産の杉本全執行職は「キックスは、日本市場で初となる第3世代e-POWERを搭載し、電動化技術の価値をより多くのお客さまにお届けする重要なモデルです。持続可能な成長をけん引する重要な一歩となる」と強調した。
第3世代e-POWERを初搭載――ヴェゼル・カローラクロスとコンパクトSUV市場でぶつかる
新型キックスには、日本市場向けモデルとして初めて日産が独自開発した「第3世代e-POWER」ハイブリッド技術が採用された。このシステムはガソリンエンジンが発電機としてのみ機能し、生成した電力でモーターを駆動して走行する方式だ。
最新技術の導入により、既存モデルと比べて燃費効率を大幅に向上させた。また、上位モデルに採用されてきた「e-4ORCE」四輪駆動制御システムをコンパクトSUVとして初めて搭載し、走行安定性を大きく高めるとともに、車内の静粛性も向上させた。
日産は新型キックスの主要ターゲットを3〜4人家族を持つ40代後半の大黒柱に設定し、都市生活に適しながら高い走行性能を発揮する仕様に仕上げた。基本販売価格は299万9,700円からとした。
具体的な販売目標台数は公表していないが、競合他社の主力モデルを強く意識した目標だ。日産の寺西章チーフプロダクトスペシャリストは「ホンダの『ヴェゼル』とトヨタの『カローラクロス』ハイブリッドモデルと互角に渡り合える販売台数を達成することが目標だ」と明言した。
10年間で3.8倍に急拡大したコンパクトSUV市場――日産の遅れた巻き返し
SUVカテゴリーは世界の自動車メーカーの生き残りを左右する主戦場として浮上した。自動車産業調査会社マークラインズによると、2025年時点で世界のSUV販売台数は4,000万台を突破し、全自動車市場の48.7%を占めたという。
これは2021年の2,962万台(シェア41.3%)と比較して大幅な増加となっている。特に米国市場ではSUVが全乗用車販売の59.1%を占め、セダン志向が比較的根強い国内市場でもシェアが26.5%まで急上昇した。
国内コンパクトSUV市場は過去10年間で保有台数が約3.8倍以上に拡大し、最も成長著しいセグメントとなった。日産も「エクストレイル」などのSUVを展開しているが、コンパクト部門では競合他社に大きく後れを取っていた。
日本自動車販売協会連合会の資料によると、昨年トヨタは「ライズ」を10万851台、ホンダは「ヴェゼル」を6万7,239台販売したのに対し、日産のキックスはわずか9,595台にとどまったという。
寺西チーフプロダクトスペシャリストは「過去にコンパクトSUV市場で強力な地位を築けず、競合モデルに完全に埋もれていた点は認めざるを得ない」とし、「新型キックスの発売を機に、日産の存在感を名実ともに取り戻す」と述べた。
営業利益率0.5%の厳しい現実――新車攻勢で復活を模索
今回の新車投入は、日産の世界販売実績を早急に正常軌道に戻す必要がある切迫した状況と密接に関連している。2025年度(2026年3月期)の世界総販売台数は315万台で、前年比5.8%減少した。日産は2026年度中に330万台の目標達成を計画している。
現在日産は大規模な人員削減と複数工場の統廃合を柱とする構造改革を進めている。2025年度の営業利益率は0.5%(営業利益580億円)と厳しい状況が続く。
しかし経営陣は、コスト削減一辺倒では復活が不可能だと判断し、積極的な新車投入による正面突破の方針を打ち出した。エスピノーサ社長は「国内市場の活性化に向け、今後1年間で複数の革新的な新型モデルを順次発表していく」と述べた。
日産は今年1月に全面刷新した電気自動車「リーフ」を発売したのに続き、米国生産のプレミアムSUV「ムラーノ」の日本への導入受注も今月から開始するなど、国内市場の奪還に向けた総力戦を展開している。












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