
豊田会長「関税交渉だけが答えではない」
トランプ米政権の自動車関税圧力が続く中、トヨタ自動車が米国工場で生産した車両を日本に持ち込み販売する「逆輸入」戦略を打ち出した。単なる新車発売を超え、米国の対日貿易赤字問題と関税摩擦を緩和するための象徴的な措置として受け止められている。
トヨタ自動車の豊田章男会長は、静岡県富士スピードウェイで開催された「スーパー耐久シリーズ2026」イベントで、米国ケンタッキー工場で生産するカムリを日本市場に再導入する計画を6日に明らかにした。
同イベント前日(5日)、中嶋裕樹副社長は、米国生産のカムリを右ハンドル仕様に変更して日本の顧客に提供すると述べ、秋頃の発売を目指していると語った。
トヨタはカムリの日本販売目標を年間1万台程度に設定した。かつて日本市場で販売終了となったカムリが、今回は「関税問題の解決策」という新たな役割を担って復活することになる。
トヨタはすでに昨年末、米国生産車両の日本販売計画を正式に発表している。対象車種は米国ケンタッキー工場のカムリ、インディアナ工場のハイランダー、テキサス工場のピックアップトラック・タンドラの3車種だ。同社はこれにより日米貿易関係の改善に寄与すると表明している。

今回のイベントで最も注目を集めたのは、豊田章男会長の関税に関する発言だった。豊田会長は「トヨタは米国、中国、アジアなど世界中で車両を生産している」とし、「米国で製造したトヨタ車を日本に導入することも一つの方法だ」と続けた。
さらに「これにより貿易収支もある程度改善され、関税問題も再検討される可能性がある」と述べたうえで、「関税交渉だけが答えではない。顧客、製造業者、サプライチェーンに関わるすべての利害関係者が勝者となる方法を見出さなければならない」と強調した。
これは米国産自動車の日本での販売拡大を通じて、米国が継続的に問題視している対日自動車貿易赤字を削減し、関税摩擦を緩和できるというメッセージと受け取れる。
実際、トヨタは最近、関税負担で少なからぬ打撃を受けている。米国政府が輸入車と部品に高率の関税を課しているため、トヨタの2025〜2026年度における関税負担は1兆3,800億円に上るとしている。同社はこの影響で年間営業利益予想を下方修正し、北米事業でも収益性が大幅に悪化したと明らかにした。
トヨタは米国内での生産拡大にも乗り出している。次世代RAV4の米国内生産拡大を検討しているほか、ノースカロライナ州でのバッテリー工場への投資も進めている。











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