
トヨタ自動車が、中型ピックアップトラック「タコマ」の生産の一部をメキシコ工場から米テキサス州の工場へ移管する。米国の関税引き上げによって北米事業の収益性が悪化したことを受け、米国内での生産拡大に乗り出す。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とブルームバーグ通信が6日に報じたところによると、トヨタは同日、米テキサス州サンアントニオ工場に2本目の生産ラインを新設し、現在生産しているフルサイズピックアップトラックとスポーツ用多目的車(SUV)に加え、タコマも生産する予定だと明らかにした。
トヨタは2030年までにタコマの生産設備の一部を米国へ移すため、36億ドル(約5,800億円)を投資する。また、2030年までに約2,000人の新規雇用を創出する計画だ。今回の生産移管は、同社が昨年、今後5年間で米国内の製造施設に100億ドルを投資すると表明したことを受けた後続措置となる。
トヨタ・モーター・ノース・アメリカの小川哲男社長兼CEOは声明で「サンアントニオ工場の拡張は、米国製造業に対するトヨタの姿勢をさらに強めるものだ」と述べた。
タコマはピックアップトラックの愛好家の間で「タコ(Taco)」の愛称で呼ばれ、米国で最も売れている中型ピックアップトラックだ。これまではメキシコのグアナフアト州とバハ・カリフォルニア州の工場で、タコマをほぼ同じ規模で生産してきた。トヨタは2030年にテキサス工場の増設が完了すれば、バハ・カリフォルニア工場のタコマ生産を移す計画だ。同工場は昨年、タコマ16万6,653台を生産した。グアナフアト工場での生産は維持する方針だとしている。
トヨタは、主力ピックアップトラックであるタコマの一部生産をテキサスへ移すことで、輸入車に課される関税負担を軽減できるようになる。現在、メキシコで組み立てられる車両については、米国産ではない部品価格に25%の関税が課されている。
トヨタの北米事業は、今年3月に終了した2026年3月期に、米国の関税影響で前期比3,013億円の減益となり、1,925億円の営業損失(赤字)に転落した。
米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)は発効6年目にあたる7月1日に3カ国による共同見直しを迎え、同日オンライン会合で各国が立場を表明したが、延長合意には至っていない。メキシコ生産車両に対する関税をめぐる不確実性は、なお高まっている。
自動車コンサルティング会社マーフィー・オートモーティブ・パートナーズのジョン・マーフィー代表はWSJに対し、「トヨタは米国内での生産を増やすことで、最大市場である米国で負担している高い関税コストを減らせると見込まれる。米国ディーラーの車両在庫不足を解消するためにも、現地生産能力の拡大が必要だ」と分析した。











コメント0