
節約のつもりでした行動が、かえって損につながることがある。車を維持するドライバーにも当てはまる話だ。フロントガラスに付いた油膜を放置する、タイヤの空気圧を気にしない、少しでも安いガソリンスタンドを探して遠くまで行くといった習慣が代表例だ。車の維持で、気づかないうちに出費を増やしてしまう3つの運転習慣を整理した。
白く曇ったフロントガラス、放置するとワイパーも傷む
ワイパーを動かしたときに拭き跡が残ったり、ガラスがぎらついて乱反射したりする場合は、油膜が付いていると考えてよい。雨水に含まれる大気中の汚れ、排気ガス、ボディーワックスの成分、ワイパーの油分などが原因で、放置すると頑固な油膜として定着する。油膜をそのままにしておくと、雨の日や夜間に対向車のヘッドライトが乱反射して視界が悪くなる。定着した油膜は、ワイパーの拭きムラや作動音の原因になり、劣化も早まる。
ワイパーゴム1本はそれほど高価ではないが、新品に交換してもすぐに使えなくなれば、結局は無駄な出費になる。さらに油膜の主成分であるシリコンは、ガラスと同じケイ素を含むため、時間が経つほどガラス表面と強く結びつき、拭いても白く曇った状態が残りやすくなる。軽い油膜なら台所用洗剤でも落とせるが、ひどい場合は専用クリーナーや洗浄シートで取り除く必要がある。作業後にガラスへ水を流し、水滴にならず均一に広がれば、うまく除去できた目安になる。

空気圧の低いタイヤ、燃費と安全性を同時に下げる
タイヤの空気は、1か月で自然に約5〜10%抜けるとされている。しかし、日本自動車タイヤ協会(JATMA)が全国のドライバー2,000人を対象に実施した調査によると、月に1回以上空気圧を点検している人は2割程度にとどまるという。空気圧が指定値より低いと接地面積が増え、転がり抵抗が大きくなって燃費が悪化する。接地面の両肩部分だけが強く当たり、偏摩耗によって寿命が縮むほか、ハンドリング性能も低下する。
さらに、排水性が落ちてハイドロプレーニング現象の危険が高まり、高速走行時には異常発熱によってタイヤが波状に変形するスタンディングウェーブ現象のリスクも上がる。車の適正空気圧は取扱説明書に記載されている。運転席ドアを開けたときに見える部分や、給油口のふたの裏側などに表示されていることが多いため、確認しておきたい。

遠いガソリンスタンドと半分給油、実際どれだけ節約になるのか
ガソリン価格の上昇を受け、少しでも安いガソリンスタンドを探す人は多い。ただ、普段利用するスタンドより5km遠い場所で安いガソリンを入れようとすれば、往復で10km余計に走ることになる。1リットル当たり20km走る車なら0.5リットルを余分に使い、1リットル160円なら80円の追加費用がかかる。80リットル入れて、ようやく元が取れる計算だ。時間と手間に加え、わずかとはいえタイヤの摩耗も増えるため、実際の節約効果は大きくない。むしろ、普段使うスタンドの休日・深夜割引や専用アプリ、石油元売り提携のクレジットカードを活用する方が節約につながりやすい。
「燃料を半分だけ入れる、または少しずつ入れると車が軽くなり、燃費に良い」と考え、満タン給油を避ける人もいる。ガソリンの重さは1リットル当たり約750gで、50リットルタンクの場合、半分と満タンの差は約18.75kgになる。ただ、燃料の重さが燃費に与える影響は1%未満というデータがあり、実際の差はわずかだ。

むしろ、何度もガソリンスタンドへ行くことで、その分の距離と時間を浪費することになる。燃料タンク内の燃料ポンプは周囲の燃料で冷却されながら作動するが、燃料が少ない状態では冷却が不十分になり、ポンプの寿命が短くなるおそれもある。交換時には部品代に加えて工賃もかかる。
ガラスの管理、タイヤの空気圧、給油習慣のいずれも、「この程度なら大丈夫だろう」という考えが重なると、結果的に無駄な出費として返ってくる。節約のつもりで選んだ行動が本当に得なのかを一度見直し、必要なら習慣を変えることが、結果として財布を守ることにつながる。











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