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国産電池を使わなければ補助金は消える 日本のEV政策が輸入車に突きつけた「見えない壁」

佐藤 彩 アクセス  



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引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません

国産EV優遇、輸入車に補助金格差 日本の購入支援制度が大きく変わった

各国政府が自国産業の保護を目的に環境車補助金制度を相次いで見直す中、日本でも制度の大幅な変更が実施された。

日本のEV市場は主要国の中でも特に普及が遅れている。日本自動車販売協会連合会によると、2025年に日本で販売されたEVは6万667台で、新車販売台数全体の1.6%にとどまった。2024年の5万9,736台からほぼ横ばいで、成長は限定的だ。2025年第4四半期(10〜12月)に限るとEVの比率は1.9%まで上昇したが、それでも主要国の中では最低水準に位置する。

こうした状況の中、経済産業省は2025年1月からEV補助金政策の見直しに着手した。燃料電池車(FCV)購入補助金を引き下げる一方、EV補助金の上限を40万円引き上げるとともに、国産バッテリーの使用状況や国内充電インフラの整備実績を補助金算定の評価基準に組み込んだ。これにより、トヨタのEV「bZ4X」の購入補助金は最大130万円に達した。

さらに経産省は2026年4月から補助金の算定方式を改編し、国産バッテリーを採用するメーカーをより優遇する方向に制度を転換した。その結果、中国BYDの補助金は従来の35〜45万円から15万円に削減され、全メーカー中で最低水準となった。トヨタとBYDの補助金格差は最大115万円に拡大している。BYD日本法人の東福寺厚樹社長は「公平感を持った運用を求める」と不満を示した。

国産EV販売、補助金追い風に拡大

補助金制度の見直しは国内メーカーの販売に追い風となった。2026年第1四半期(1〜3月)のEV新車販売台数は前年同期から大幅に増加し、四半期ベースで過去最高を記録した。トヨタはbZ4Xの補助金が大幅に拡充されたことを背景に販売を急伸させた。スバルなど他の国内メーカーも前年同期を大きく上回る販売台数を記録している。日本経済新聞は「トヨタが市場成長を牽引した」とし、「補助金格差が企業間の明暗を分けた」と評価した。

日本自動車輸入組合によると、2025年に日本で販売された輸入EVは3万513台で、過去最高を記録した。全体のEV販売量の半分以上を輸入車が占め、BYDは前年比約62%増加した。補助金格差が拡大した2026年以降、こうした構図にどう変化が生じるかが注目される。

国産優遇はEU・米国でも共通の流れ

自国産業を優遇する補助金政策は、日本だけの動きではない。内燃機関車がいまも主流を占める一方、EV移行を見据えた市場先取りの動きが各国で広がっている。中国勢の低価格攻勢に対抗する狙いも見て取れる。

欧州連合(EU)は、脱炭素関連分野の政府支援金を支給する際に一定割合以上の欧州産部品使用を義務付ける内容を骨子とした「産業加速法」を発表した。EVの場合、バッテリーを除く部品の70%以上をEU域内で調達・組み立てなければ公的補助金の対象外となる。日本メーカーも影響を受けるほか、EU離脱後の英国もこの規制動向に影響を受けるとして反発している。

S&Pグローバル・モビリティによると、2026年3〜4月に調査対象国の大半でEV販売が前年を上回った。日本経済新聞は「中東情勢を背景とした原油価格の上昇が、世界各国でのEV販売増加につながっている」とし、「EV拡大の流れはしばらく続く可能性がある」と分析している。

トヨタはEV一部開発を中止、HEV重視の姿勢を維持

一方で、補助金の恩恵を受けているトヨタ自身は、EV戦略の見直しを進めている。高級車ブランド「レクサス」の次世代セダン型EV「LF-ZC」について、量産開発の中止を決定した。世界的なEV市場の伸び悩みを踏まえ、SUV型など需要の見込める車種に開発資源を集中する判断とみられる。共同通信は「世界的なEV市場成長の鈍化を考慮したものだ」と指摘した。

近健太社長は5月の2025会計年度(2025年4月〜2026年3月)決算発表会見で、EV戦略に関する質問に対し、HEVを含む全方位の供給体制を維持する方針を示し、各地域の需要動向を見ながら供給戦略に反映させていくと述べた。

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