科学技術関係予算、11兆円に迫る「過去最大」…前年比74%増
「要求上限なし」の予算枠がけん引…若手研究者・新たな学術領域の開拓などに重点

政府は来年度予算の概算要求で、11兆円に迫る科学技術関係予算を計上した。
14日、日本経済新聞(日経)によると、来年度の政府の概算要求のうち、科学技術関係予算は過去最大の10兆9,983億円となった。
内閣府が各省庁の概算要求から科学技術関連の予算を集計したもので、今年度予算に比べ73.7%増となった。
要求上限を設けない『「強く豊かな日本」投資枠』に含まれる予算だけで5兆702億円に上り、全体の半分近くを占める。
「強く豊かな日本」という表現は、高市早苗首相が今年初めの衆院選からスローガンとして掲げてきたものだ。
高市内閣は、来年度予算の概算要求総額を過去最大の143兆円としたが、財政悪化を懸念する声も少なくない。
概算要求の内訳を見ると、優れた研究課題に重点的に資金を配分する「科学研究費助成事業(科研費)」には、前年の2倍となる4,552億円が計上された。
若手研究者や新たな学術領域の開拓、国際共同研究への支援を強化するほか、複数年度にわたって柔軟に運用できる基金の創設を進める。
国立大学法人運営費交付金も1,541億円増の1兆2,512億円を計上した。2004年度以降、減少が続いてきた項目だが、ノーベル賞受賞者や経団連(日本経済団体連合会)からの増額要請を受け入れた。
日経は、高市政権が重視する「戦略17分野」には、航空・宇宙、フュージョンエネルギー、量子など、大学や公的研究機関が中核を担う分野が多く、科学技術関係予算が増額される可能性が高かったと説明した。
総合科学技術・イノベーション会議の有識者議員である東京大学の菅裕明教授は、「研究費を倍に増やしてもまだ足りないが、研究者の士気は高まるだろう」と歓迎した。

