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2026年8月21日(金) 東京 --

中国でAI俳優が人気、広告1本600万円超 実在インフルエンサー上回る例も

引用:ドウイン アカウント
引用:ドウイン アカウント

中国で、実在する人気インフルエンサーを上回るほどの「高額な広告価値」を持つAI(人工知能)俳優に注目が集まっている。

中国の上観新聞など現地メディアによると、最近中国で爆発的な人気を集めているAIショートドラマ「解雇された少女」に登場するバーチャル女優「ファン・タオズ」の広告料金は、実在するインフルエンサーを上回る水準に達しているという。

ファン・タオズが出演する60秒以上の動画広告は、1本当たり25万8,000元(約609万円)とされている。

ドラマの中でファン・タオズは、小さな地方都市からモデルになる夢を抱いて架空の大都市へ出てきた女性として描かれている。その後、モデルとして成長し、パリ・ファッションウィークの舞台に立つまでになる。

このドラマはAI技術そのものよりも、ファン・タオズというキャラクターへの人気を追い風に大ヒットした。7月時点で「解雇された少女」の再生回数は2億回を超え、ファン・タオズの個人アカウントも40万人以上のフォロワーを獲得している。

ファン・タオズの個人SNSにはドラマの場面ではなく、実在する人物のように日常生活を送る姿を描いたコンテンツが継続的に投稿されている。運動をしたり、花を買ったり、サンドイッチを作ったり、友人とテニスを楽しんだりするなど、「本物の人間」と変わらない日常を発信している。

AI俳優が人気スターとして台頭する中、韓国でも広く知られるジョイ・ウォン(王祖賢)など、かつて一世を風靡したスターが全盛期の肖像をAI企業に使用許諾し、収益を得る「デジタル肖像権取引」の市場も活発になりつつある。

引用:ドウイン アカウント
引用:ドウイン アカウント

さらに、ショートドラマやAI俳優の人気を受け、安徽衛視や浙江衛視など中国のテレビ局も相次いでAIショートドラマを編成している。当初は人工的で不自然なAI映像に抵抗感を示していた視聴者も、ファン・タオズのようなキャラクターに熱狂し、ドラマを好意的に受け入れるようになっている。

実際、ファン・タオズだけでなく、同じショートドラマに「出演」した男性AI俳優のジョウ・イーヘンも、実在するスターをしのぐほどの人気と注目を集めている。このため、中国のSNS「Weibo」では、「2人のAI俳優は、まだブレイクしていない実在の俳優よりも有名だ」との声も上がった。

ファン・タオズは先月、自身のアカウントで日焼け止めの広告を始めた。この広告も一般的なインフルエンサーや芸能人と同じように、友人とテニスを楽しむSNS投稿の中に商品を登場させるPPL形式で公開された。

有名人の顔をAIで複製…弊害も

一方、AIスターを巡っては問題も相次いでいる。

6日、北京日報によると、7月31日にファン・タオズのアカウントに投稿されたコンタクトレンズの広告が、「虚偽の使用体験をうたっている」として削除された。「レンズを一日中着けていても快適だ」と、実際に使用したかのように紹介する表現が問題視された。

引用:ドウイン アカウント
引用:ドウイン アカウント

現地の法律専門家は、「AIモデルは実在する人物ではなく、実際に商品を使用することができないため、モデル自身が使用体験を語るような広告表現は不適切だ」と指摘している。

さらに中国では、実在する俳優や著名人の顔をAIで無断複製し、バーチャルヒューマンやライブコマースの配信者として利用する問題も繰り返し起きている。

実際、2025年末には、中国の俳優ウェン・ジョンロンの顔をAIで無断複製し、ライブコマースに利用した事例が発覚し、大きな注目を集めた。中国の法律専門誌では、「実在する俳優の顔や表情、声などをデジタル化して作ったバーチャル人物が商品を販売した場合、誰が法的責任を負うのか」が主要な論点として取り上げられた。

中国最高人民法院は、「AIを利用した肖像権侵害は、新たに登場した人格権侵害の主要な類型の一つになり得る」と指摘した。その上で、「AI俳優が登場する映像であっても、制作過程で他人の写真や映像、音楽などを利用した場合には、著作権上の問題が生じる可能性がある」と強調した。

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