米国とカナダの関税交渉が決裂、報復関税で全面的な貿易戦争に突入
週末の協議も最終的に決裂
カナダ、米国の50%関税に「報復関税」で対抗
交渉決裂の責任めぐり、米加双方が非難の応酬
カーニー首相「米トランプ政権が不当な合意を要求」
グリア米通商代表「交渉は終わった…中国がするような行為」

米国とカナダの関税交渉が最終的に決裂し、両国が全面的な貿易戦争に突入したと、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が22日(現地時間)報じた。7月1日に米トランプ政権が米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の延長を突如拒否して以降、両国関係は30年余りで最悪の状況に陥った。
海外メディアによると、両国の代表団は貿易不均衡の是正を条件に週末まで交渉を続けたものの、土壇場で浮上した文化・言語をめぐる主権問題で真っ向から対立し、交渉は決裂したという。米国は8月初め、合板や乳製品など200億ドル(約3兆1,900億円)相当のカナダ産輸入品に50%の報復関税を発動したのに続き、カナダが自国のコンテンツ産業を保護するために実施しているフランス語表記の義務化や文化補助金制度の撤廃まで要求した。
カナダのマーク・カーニー首相は交渉決裂直後の国民向け演説で、米国による一方的な関税賦課と条件変更を「明白な経済的侵略であり、事実上の経済戦争だ」と批判した。彼は「攻撃を受ければ戦争状態にあるということであり、我々は攻撃を受けた」とし、米トランプ政権が「悪い合意」を要求したと指摘し、「我々は彼らが提示したものを受け入れることができず、要求されているものを差し出すこともない」と強調した。さらに、9月8日から米国産の鉄鋼や乳製品、家電製品などを対象に、同額規模の「ドル・フォー・ドル」の報復関税を発動すると表明した。
米通商代表部(USTR)のジェイミソン・グリア代表は米ホワイトハウスでの記者会見で、交渉決裂の責任はカナダ側にあると主張した。彼は「米国はカナダに最も有利な提案を示したが、土壇場になってカナダが最終合意を拒否した」とし、「これ以上、追加交渉を行う余地はない」と明言した。特にカーニー首相が打ち出した報復関税について、「中国がやるような行為だ」と批判した。
伝統的な友好国であり、地理的にも最も近い隣国である両国の関係は、カナダを「米国の51番目の州」と呼んできた米国のドナルド・トランプ大統領の政権下で悪化し続けてきた。トランプ大統領の政権2期目には、昨年2月のフェンタニルを理由とした関税措置を皮切りに、鉄鋼、自動車、木材への追加関税によってカナダ経済が打撃を受けた。
カナダ商工会議所のキャンディス・レインCEOは「今回の関税紛争により、米国ではコストが上昇し、カナダでは顧客や投資が減少し、中小企業の廃業につながるだろう」と述べた。英キャピタル・エコノミクスの北米担当エコノミスト、ブラッドリー・サンダース氏は「今回の事態は、報復がさらなる報復を招く貿易戦争を再燃させ、カナダ企業の景況感を悪化させるとともに、成長を鈍化させるだろう」と警告した。
