AI利用のサイバー攻撃が89%増、OpenAIなど100社超が防御強化要請
AIを使ったサイバー攻撃が1年で89%増
政府・企業に防御体制の全面的な強化を促す
「対応する時間はわずか数カ月」

オープンAIやアンソロピック、マイクロソフト、アルファベット、アマゾンなど主要なテック企業が、人工知能(AI)を使ったサイバー攻撃が今後数カ月のうちに急増する可能性があるとして、政府と産業界に大がかりな防御体制の構築を促した。
27日(現地時間)、NBCやCBSニュースなど海外のメディアによると、これらの企業は共同の書簡で、AIの脅威が本格化する前に「デジタルの世界をはるかに安全にできる」時間は限られていると警告したという。
共同の書簡には、ブロードコムやクラウドフレア、クラウドストライク、ゼネラル・モーターズ(GM)、IBM、マスターカード、オラクル、ロビンフッド、ビザなど100以上の企業や機関が加わった。
各社は「今後数カ月の間に、世界のAIモデルの性能がさらに向上し、AIを使ったサイバー攻撃がはるかに広範囲に及ぶことになる」とし、政府と産業界が持つ技術や資源、専門性を総動員する必要があると強調した。
AIを使ったサイバー攻撃はすでに急速に増えている。クラウドストライクが最近公表した報告書によると、AIを基盤とするサイバー攻撃は昨年、前年比で89%増えた。悪意のある勢力が大規模言語モデル(LLM)を使い、企業や機関のシステムに侵入する事例も増えている。
各社は、従来のサイバーセキュリティーの体制だけでは、今後の脅威に対応するのは難しいと指摘した。長く放置されてきたソフトウエアの欠陥や、過剰なアクセス権限、システムの設定ミス、脆弱な認証体制、更新されていないソフトウエアや老朽化したシステムなどが、AIを使った攻撃に対して弱い可能性があるとの説明だ。
ただ、AIはサイバー攻撃の威力を高める一方で、防御の手段としても使えると強調した。AIを使ってシステムの弱点を素早く見つけて補うことで、攻撃する側より守る側が先に優位に立てるという。
そのうえで各社は、サイバーセキュリティーの人材と投資を拡大し、サイバー攻撃を防ぐ組織にも最新のAI技術を提供すべきだと促した。
特に各国の政府に対しては、一般に公開される前に、一部の信頼できる企業がより強力なAIモデルを先行利用できるようにする「信頼に基づくアクセスの制度」を広げるよう求めた。これにより、企業が新しいAIモデルがもたらすサイバー上の脅威を事前に把握し、防御策を講じられるようにするという趣旨だ。
オープンAIなど最先端のAIモデルを開発する企業に対しても、責任ある形でモデルにアクセスできる体制を整え、サイバーセキュリティーの人材育成を支援するとともに、自社のモデルのセキュリティーを強化するよう求めた。
一方、米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドで構成される情報機関の枠組み「ファイブ・アイズ」も6月、AIがサイバーセキュリティーの環境を「根本的に変える」として、関連する脅威に共同で対応する必要があると警告していた。

