「コンタクトを着けたままシャワーを浴び、視力を失いました」…水道水も油断できず

コンタクトレンズを着けたままシャワーを浴びたことで失明の危機に陥った20歳の女性が、正しいレンズの装用と管理の重要性を訴えている。
米People誌やUSA TODAYなどによると、グレース・ジェイミソンさん(20)は最近、TikTokでこの1年間にわたり眼科で診療を受けてきた自身の体験を紹介したという。
コンタクトを着けたままシャワー、両目の視力をほぼ失う

米カリフォルニア州出身のジェイミソンさんは、14歳の頃からコンタクトレンズを使用していた。多くのコンタクトレンズ利用者と同様、次第にレンズの管理がおろそかになり、夜にレンズを着けたままシャワーを浴び、寝る直前になってから外す習慣がついた。
そんな中、1年前に宣教活動のためドミニカ共和国に渡った。現地でもレンズを着けたままシャワーを浴び、寝る前にだけレンズを外す生活を続けていた。
ジェイミソンさんは「問題が起きるまで、シャワーを浴びる時にコンタクトレンズを着けてはいけないとは全く知らなかった」とし、「レンズを着けたまま泳いではいけないことは知っていたが、シャワーの水道水まで危険だとは想像もしていなかった」と語った。
数日後、目にかゆみや乾燥を感じるようになり、その後まもなく目が充血し、光に対して極度に敏感になった。
症状は急速に悪化し、約1週間で視界が徐々にかすむようになり、最終的には両目ともほとんど見えない状態になった。
原因の特定も容易ではなかった。最初に受診した眼科ではヘルペス感染症の一種と診断され、ステロイドの点眼薬を処方された。
しかし、この時の治療がかえって目の状態を悪化させた可能性があることを知ったのは、後になってからだった。
1カ月近く毎日眼科に通って検査を受け、最終的にアカントアメーバ角膜炎と診断された。
アカントアメーバという微生物が角膜に感染して起こる、まれではあるものの重篤な病気だった。
感染が進行し、ジェイミソンさんは両目とも見えない状態になった。その状態は約4カ月続いた。
特に光に対して極度に敏感になった。寝室には光が一切入らないよう遮光カーテンを設置しなければならなかった。目を開けること自体が非常につらく、1日の大半を目を閉じて過ごした。
4カ月が過ぎると、少しずつ希望が見え始めた。左目の感染は右目ほど深刻ではなかったためだ。左目の視力は徐々に回復し、1年がたった現在は、眼鏡をかければ左目で見える状態まで回復した。
アカントアメーバ、水道水にも存在…問題は不適切な管理

米国オプトメトリック協会(AOA)のテリ・ガイスト会長(博士)はUSA TODAYに対し、「多くの人がコンタクトレンズを着けたまま入浴したりシャワーを浴びたり、さらには泳いだりすることを軽く考えている」とし、「レンズが水に触れると、深刻な眼疾患を引き起こす微生物に感染する恐れがある」と語った。
ガイスト会長によると、アカントアメーバ自体は日常環境でごく一般的に見られる微生物の一つだ。自然の河川だけでなく、プールや水道水にも生息している。
ジェイミソンさんも「この病気になったのは、私がドミニカ共和国にいたからではない。アカントアメーバはどこにでも存在する可能性がある。だからこそ、コンタクトレンズを水に触れさせないことが本当に重要だ」と強調した。
特に、コンタクトレンズを使用している人がレンズを水にさらすと、リスクが高まる。シャワーや入浴、水泳だけでなく、水道水でレンズやレンズケースを洗ったり、保管に水道水を使ったりすることも含まれる。
ただし、アカントアメーバに接触したからといって、必ず感染するわけではない。
ガイスト会長は「問題なのは、コンタクトレンズの装用、水への接触、不適切なレンズ管理が重なることで、感染リスクが高まるという点だ」と指摘した。
治療そのものも激痛を伴う

アカントアメーバ角膜炎になると、目に異物感が生じ、涙が過剰に出たり、レンズを外した後も異常に長く充血が続いたりする症状が現れる。
損傷した組織を取り除く処置が必要になる場合があり、点眼薬による治療を数カ月にわたって続けることもある。
ジェイミソンさんも、1年がたった現在も感染症の治療薬を使用している。その中には激しい痛みを伴う点眼薬もあるといい、「最初、医師は冗談交じりに『毒薬の目薬』と呼んでいた」と話した。
さらに「初めてその点眼薬を使った時は、目が焼けるように痛く、涙が流れた跡に発疹のような痕までできた」とし、「1年たってある程度は慣れたが、今でも痛い」と説明した。
その上で「アカントアメーバ感染そのものも痛かったが、治療自体も本当につらかった」と付け加えた。
正しいコンタクトレンズの衛生管理が重要

ガイスト会長は、ジェイミソンさんのアカントアメーバ角膜炎は特に重症なケースだとしながらも、コンタクトレンズを水に触れさせてはいけない理由は、アカントアメーバだけではないと強調した。
「水は無菌ではなく、細菌をはじめ様々な微生物が存在する」とし、「こうした微生物が目の表面とレンズの間に閉じ込められるのを避ける必要がある」と語った。
そのため、コンタクトレンズを水にさらさず、毎日正しい衛生管理を行う必要があると呼びかけた。
シャワーや水泳の前には必ずコンタクトレンズを外し、レンズやレンズケースを水道水で洗ったり、保管に水道水を使ったりしてはならない。
レンズに触れる前には必ず手を洗い、完全に乾かす必要がある。
オプトメトリストや眼科専門医が推奨するコンタクトレンズ専用の消毒・ケア用品だけを使用する必要がある。その場合も、古い液に新しい液を継ぎ足して使用せず、使用するたびに新しい消毒液に交換しなければならない。
医師から指示された交換時期に合わせてレンズを交換し、就寝時の装用が特別に認められたレンズでない限り、レンズを着けたまま眠ってはならない。
ガイスト会長は「アカントアメーバ角膜炎は治療が難しく、視力に深刻な影響を及ぼすため、早期発見が重要だ」と付け加えた。
