アリババクラウド創業者「AIで電力を1使えば、ほかで10節約できる」
電力浪費を巡る議論に「LEDのように効率は高まる」
トークン使用量を10分の1にしても同じ作業が可能と予測
「AIと競うな」…若者に挑戦と活用を呼びかけ

中国のアリババクラウド創業者が、人工知能(AI)による電力浪費への懸念を、社会全体で見ればむしろエネルギー節約効果の方が大きくなる可能性があるとして一蹴した。若者には、AIを競争相手ではなく、人間の能力を拡張する道具として受け入れ、新たな活用の可能性に挑むよう助言した。
11日の第一財経によると、アリババクラウド創業者で中国工程院院士の王堅氏は前日、中国・上海で開かれた国際金融・先端技術イベント「外灘大会」で、「AIの発展を捉える視野を都市単位にまで広げる必要がある」とし、「AI技術に1kWhの電力を投入すれば、世界の別の場所では電力使用量を10kWh減らせる可能性がある」と強調した。AIが社会全体の資源消費を減らし、結果的にAI自体の電力使用量を上回る節約効果をもたらす可能性があるという。
王氏は、1950年以降、科学技術が急速に発展する一方で炭素排出量も急増したとし、技術に携わる者として罪悪感を感じていると打ち明けた。その上で、資源消費を減らすための鍵がAIだとの見方を示した。「データはデジタル時代の天然資源だ」とし、「データがあってこそ資源消費を減らす機会も生まれ、それを最も有効に活用できるのがAIだ」と説明した。
AI自体の電力消費も、技術の進歩に伴って減少する可能性があるとみている。王氏は「現在の電力消費の状況は、AIの発展初期に見られる現象だ」とし、「AIも、初期の電球がエネルギー効率の高い発光ダイオード(LED)照明へと変わったのと同じような変化を遂げる可能性がある」との見通しを示した。さらに「AI自体の効率も改善し、将来は現在の10%のトークン量だけで同じ作業をこなせるようになるだろう」と予測した。
AIに仕事を奪われる可能性があるとの懸念については、「AIと競おうとしてはいけない」とし、「AIは人間に取って代わることはないし、取って代わることもできない。取って代わるべきでもない」と語った。AIを「人工的につくられた人間の知能」ではなく、「機械知能」として捉えるべきだという。王氏は「人間の目より遠くを見ることができる望遠鏡も、結局は人間が活用する道具になった」とし、「新たな発明はすべて、人類に自らの限界を改めて認識させるものだ」と強調した。
若者には、これまでの想像を超えるAIの活用法を見つけてほしいと呼びかけた。王氏は、資源消費を現在の10%に減らすという課題が若者に与えられているとし、情熱、回復力、イノベーションの重要性を訴えた。続けて「誰もが機会を探してばかりいれば、世の中から機会はなくなってしまう」とし、「若者が自らの情熱を注いでこそ、世の中に発展の機会が生まれる」と語った。
