キオクシア、ADR上場で少なくとも約1兆5,500億円の調達を検討
ブルームバーグ「100億ドル以上の調達を検討」
2027年4~6月ごろのADR上場を推進
最近の業績不振にAI開発の「ペース調整論」も悪材料

メモリー半導体企業のキオクシアホールディングスが、米国預託証券(ADR)の上場を通じて少なくとも約1兆5,500億円の資金を調達する案を検討している。
14日(現地時間)、ブルームバーグは事情に詳しい関係者の話として、キオクシアが来年のADR上場を目指し、100億ドル(約1兆5,500億円)以上の資金調達を検討していると報じた。関係者によると、キオクシアはバンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス・グループ、JPモルガン・チェースなどの投資銀行と協議を進めてきたという。関係者は、ADR上場によってキオクシアが半導体関連の株価指数に組み入れられる可能性もあると付け加えた。キオクシアはこれに先立ち、2027年4~6月ごろにADRを発行する計画を発表していたが、追加の情報はこれまで公表していない。
ブルームバーグはキオクシアのADR上場について、「旺盛な投資需要を取り込もうとする他の人工知能(AI)関連企業に続く動きだ」と評価した。SKハイニックスは今年7月、米国でADRを発行して265億ドル(約4兆1,000億円)を調達し、外国企業による新規株式公募として過去最大規模の記録を更新した。
ただ、今年下半期に入ってから低迷しているキオクシアの業績や、AI業界で浮上している「開発ペース調整論」が、来年のADR上場に悪影響を及ぼす可能性があるとの見方も出ている。キオクシアの株価は直近約2カ月で、高値から54%超急落した。キオクシアは今年上半期に株価が8倍以上に急騰し、日経平均株価の上昇をけん引したが、大手クラウドサービス企業によるAI設備投資の鈍化や、世界のメモリー業界での増産競争に伴う価格下落への懸念が強まっているとの分析だ。
アンソロピックやOpenAIなど主要AI企業がAIの危険性を警告し、開発ペースを抑えるべきだと主張していることも悪材料となっている。AI業界のリーダーらが最先端AIモデルを巡る安全対策の導入を訴える中、14日の取引序盤にはナスダック100先物が1.8%下落し、主要半導体株に連動する上場投資信託(ETF)は4.7%急落した。
