
エンジンルームに猫が入り込む事故は、ドライバーなら一度は聞いたことがあるトラブルだろう。寒くなると、猫は暖を求めて車のエンジンルームに潜り込む。日本自動車連盟(JAF)によると、2025年11月の1カ月間に、全国でこうした理由による救援要請が83件に上った。このうち一部は、ドライバーが気付かないままエンジンを始動し、危険な状況につながっている。
猫による車両トラブル、1カ月で83件
JAFが2026年2月に発表した資料によると、2025年11月1日から30日までに全国で受け付けた「猫が車に入り込んだことによるトラブル」の救援要請は計83件だった。このうち5件は、ドライバーがエンジンを始動した後に、エンジンルーム内に猫がいることに気付いて要請に至ったという。

猫がエンジンルームにいることを知らずにエンジンをかけると、ベルト類に巻き込まれる危険があり、実際にベルトが切れる事故につながる場合もある。ベルトが切れなくても、清掃などの追加整備が必要になることがあり、猫の命だけでなく車の故障にもつながりかねない問題だ。
鳴き声やエンジンルーム内の気配がサイン
実際の救援要請の中には、「ボンネットの中で猫の鳴き声がする」「エンジンルームから音がするので確認したい」といったように、音や気配で異変に気付いたケースが複数確認された。そのため、ボンネットをただ軽くたたくだけでは十分とはいえず、耳を澄ませて内部の気配まで確認することが重要だ。

JAFは、こうした事故を防ぐための乗車前の確認方法を示している。まず、ノックするようにボンネットを軽くたたき、その後しばらく耳を澄ませて、猫が動く音や気配がないか確認する。異変を感じた場合は、ボンネットを開けて中を直接確認すればよい。たたくだけでは猫が外に出てこない場合もあるため、「たたく+聞く」の2段階確認が推奨されている。
冬だけの問題ではない猫の入り込み事故
猫がエンジンルームに入り込むトラブルは、特定の季節だけに限られた問題ではなく、年間を通じて発生する。JAFによると、2024年6月の1カ月間にも同じ種類の救援要請が381件寄せられた。単に寒さだけが原因で起きる問題ではないということだ。ただし、寒い時期やエンジンを止めてから時間があまりたっていない車は、エンジンルームに暖かさが残っているため、特に注意が必要だとJAFは説明している。

猫のエンジンルーム入り込み事故は、猫の命と車の状態の両方に関わる問題だ。ドライバーが車に乗る前に少しだけ時間を取り、ボンネットをたたいて耳を澄ます習慣を付けるだけでも、予期せぬ事故の多くを防ぐことができる。











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