「船舶数は戦争前の半分未満」ホルムズ海峡で米・イラン再衝突、原油1万4,000円超
米、ホルムズ海峡のイラン発射台を攻撃…イランが報復
トランプ氏「必ず対応する」…イランへの追加攻撃を警告米・イラン再衝突の一方、外交的解決を模索するイラン

米国とイランが約1カ月ぶりに再び直接交戦するなか、ドナルド・トランプ米大統領がイランへの追加攻撃を示唆し、中東の軍事的緊張が再び高まっている。
米軍は30日(現地時間)、ホルムズ海峡にあるイラン領ララク島のロケット発射台2カ所を攻撃した。米国側は、イラン革命防衛隊(IRGC)がホルムズ海峡に機雷を敷設するため、ロケットを発射しようとする動きを察知したことから攻撃に踏み切ったと説明した。
米国による対イラン軍事行動は、6月24日以来、約1カ月ぶりとなる。両国間の直接的な軍事衝突が再開したことで、ここ数週間、経済制裁や外交的圧力を中心に続いていた対立が、再び軍事的局面へと移行する様相を見せている。
イランは直ちに報復に乗り出した。
イラン革命防衛隊は、米国によるララク島への攻撃に対する報復として、ヨルダンのキング・フセイン空軍基地とアル・アズラク空軍基地を弾道ミサイルで攻撃したと発表した。イラン側は、施設の技術・整備インフラや戦闘機の配備区域などに「深刻な被害」を与えたと主張している。
イランは、アラブ首長国連邦(UAE)にある米軍関連施設も攻撃対象にしたと明らかにした。UAE国防省は、イランが発射したドローンを自国領海上空で迎撃したと発表した。UAEはイランの攻撃を「危険な緊張激化」と位置づけ、自国の主権と安全保障に対する脅威だと非難した。
米国側は、ヨルダンに向けて発射されたミサイルの大部分を迎撃し、大きな被害は発生していないと説明した。一方、イランは米国が追加攻撃に踏み切れば、さらに強力に対応する構えを示している。イラン外務省は米国の攻撃について「断固として対応する」と警告した。
トランプ大統領も強硬な対応を予告した。
英紙ガーディアンによると、トランプ大統領は31日、FOXニュースのインタビューでイランの報復攻撃について「われわれは彼らを強力に攻撃する」と述べ、「必ず対応がある」と強調した。
トランプ大統領はイランを「失敗国家」と非難し、同国の軍事力と経済は大きく弱体化していると主張した。追加攻撃の可能性を残す一方、核兵器の使用など極端な軍事手段を取る必要はないとの認識も示した。

今回の衝突の中心にあるのが、世界のエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡だ。
米国は、イランが機雷を敷設して船舶の航行を妨害しようとする動きを見せたため、ララク島の発射台を攻撃したと説明している。米中央軍はこれに先立ち、米軍が海峡の主要航路に設置された機雷を除去したと発表しており、イランが再び海峡の安全な航行を脅かしていると主張している。
一方、イランはホルムズ海峡の航行問題を、自国の安全保障や経済制裁の問題と結び付けている。イランは、米国が自国に対する経済制裁や原油輸出への圧力を続けるなか、何の条件もなく海峡を開放することはできないとの立場を示してきた。
実際、ホルムズ海峡を通過する船舶の数は、戦争前と比べて大幅に減少している。米CBSは最近、海峡を通航する船舶数が1日当たりで戦争前の半分にも満たないと報じた。
両国の軍事衝突が再開したことで、国際原油価格にも再び上昇圧力がかかっており、ブレント原油先物は31日、1バレル=90ドル(約1万4,400円)を突破した。
ただ、イラン国内からは、米国とのさらなる衝突を望んでいないことを示す動きも出ている。
イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は31日、キルギスで開かれた上海協力機構(SCO)首脳会議に合わせ、パキスタンのシャバズ・シャリフ首相と会談し、米国との戦争を続けることはイランの利益にかなわないとの考えを示した。
また、パキスタンが仲介に乗り出す場合、米国との既存の合意を履行する用意があると述べた。
米国側も最近は、軍事行動より経済制裁を通じた対イラン圧力を強調してきた。スコット・ベッセント米財務長官は今回の衝突について、米国の制裁によってイラン経済が大きな打撃を受けたことに対する「報復」だと位置づけ、対イラン経済圧力をさらに強化する方針を示した。
結局、今回の衝突が一度限りの報復で終わるのか、それともさらなる攻撃へと発展するのかが、今後の中東情勢を左右する最大の焦点となっている。
トランプ大統領がすでに「強力な攻撃」を予告しているだけに、イランが追加対応に踏み切った場合、ホルムズ海峡を中心に軍事衝突が再び拡大する可能性も高まっている。





