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なぜ日産はAIを経営再建の柱に選んだのか、スカイラインに込めた本音

佐藤 彩 アクセス  

引用:日産
引用:日産

日産自動車がAIを活用して新車の開発期間を半分以下に短縮する取り組みを、経営再建策の柱に位置づけた。読売新聞は12日、日産のイヴァン・エスピノーサ社長がインタビューで、ブランドを象徴する「スカイライン」の開発期間を従来の55か月から26か月に短縮し、2027年上半期に新型モデルを発売すると明らかにしたと報じた。

同記事によると、日産は過去の車両データの分析や市場調査、設計検討などにAIを導入するという。デザイン段階ではARゴーグルを活用して3次元データを見ながら繰り返し修正する手法も取り入れ、従来のように多数の実物模型を制作して検討していた工程を削減することで開発速度を高める。

日産は、この手法によって世界で最も速いとされる中国自動車メーカーの開発スピードに近づく効果が見込めると判断している。スカイラインにとどまらず、ほかの車種にも同じ開発方式を拡大適用する方針だ。

スカイラインは日産を代表する長寿モデルだ。日産は開発期間の短縮を通じて主力モデルの市場投入時期を前倒しし、販売不振が続く国内外市場での反転を目指す考えだ。エスピノーサ社長は経営再建の重点市場として米国と日本を挙げ、特に日本市場については「最も重要な市場」と強調。「多くの商品を出すことで国内市場が日産にとって極めて重要であることを伝えたい」と語った。

日産は2026年中にコンパクトSUV「キックス」と高級ミニバン「エルグランド」を発売する予定だ。2027年以降はAIを活用した車両設計で開発期間を短縮し、スカイラインなど既存モデルの刷新を加速するとともに、新規車種の投入も検討している。エスピノーサ社長は、現行キックスより小さい超小型SUVと、「ノート」と「セレナ」の間のサイズの新車種導入を検討していると明かし、「追いかける分、独自性を出さなければならない」と語った。同サイズ帯にはトヨタの「シエンタ」など人気モデルが存在するカテゴリーで、日産の販売現場でも需要が高いとされている。

ホンダとの協業も引き続き検討する。両社は経営統合の協議が決裂した後も協業の可能性を模索してきたが、具体的な成果には至っていない。エスピノーサ社長は「複雑なプロジェクトなので時間がかかっている」と説明した。

協業の対象として挙げられているのは、米国内でのハイブリッド車(HV)用バッテリーの調達と、次世代SDV(ソフトウェア定義車両)に使われるソフトウェアの一部共通化だ。エスピノーサ社長は「両社とも米国でHVバッテリーを調達する必要があるため、検討の余地がある」と述べた。

米国市場では2030年までに大型車5車種を投入する計画で、うちピックアップトラック1車種は協力関係にある三菱自動車にも供給することを決めた。

中国市場については投資を継続する意向を示した。エスピノーサ社長は「中国で存在感を発揮できなければ、将来世界各地で生き残るのは難しい」と述べた。日産は業績不振とグローバル競争の激化という逆境の中で、構造改革と商品競争力の回復を同時に進めている。AIを活用した開発期間の短縮が実際の商品競争力と販売回復につながるかどうかが、今後の再建戦略の成否を左右する。

佐藤 彩
content@dailyview.net

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