
ホンダの7月中国工場稼働中断に不安感高まる…インド・中国現地企業への顧客多様化を推進
中国自動車市場でのEVへの急激な転換が進む中、ホンダの現地生産削減が本格化し、ホンダへの依存度が高い系列部品メーカーが連鎖的に深刻な打撃を受けている。
年々強まるコスト削減圧力と売上の急減に直面した部品メーカー各社は、長年続いた「ホンダ系列」の枠を超え、日系以外の現地完成車メーカーへの顧客開拓を一斉に進め始めた。
日本経済新聞によると、東京証券取引所に上場するホンダ向け売上高が40%以上を占める主要部品メーカー9社を対象に調査したところ、いずれも売上の40%以上をホンダに依存していることが明らかになった。
このうち5社が2027年3月期の連結売上高について前期比での減少を見込んでおり、3社は純利益も落ち込む見通しを示した。
「構造調整を考える時」…ホンダ減産でジーテクト・エフテックなどの営業利益が大幅悪化
車体構造部品を手がけるジーテクトの高尾直宏社長は決算説明会で「中国事業全体を抜本的に再編する方策を真剣に検討しなければならない時期だ」と危機感を示した。
ジーテクトは2026年3月期の中国事業で9億4,000万円の赤字を記録した。ホンダの中国生産量が10%以上急減した影響が直撃した形だ。
同社は昨年、中国においてホンダへの納入台数がトヨタを下回るという異例の事態を初めて経験した。今期の中国事業では売上高531億円、営業利益4億円の確保を目標に掲げていたが、ホンダが7月から一部中国施設の稼働を無期限中断する予定であることから、こうした目標の達成すら極めて不確実な状況となっている。
ホンダ向け売上比率が60%超のエフテック(F-Tech)は、今期のアジア(日本除く)地域売上高が21%減の314億円にとどまる見通しだ。日本での営業利益は95%減の7,600万円まで落ち込むと予測されている。
ホンダ向け売上比率が90%に上るテイ・エス テック(TS Tech)も、中国事業の売上高が22%減少し、営業利益は69%減となる見通しを示した。
「採算を度外視した中国勢の攻勢」…ホンダの現地化方針に系列各社が反発
中国の完成車メーカーが破壊的な値下げ競争を主導する中、圧力を強めたホンダは5月、中国現地の部品調達を大幅に拡大してコストを抜本的に引き下げる計画を発表した。
しかし、こうした値下げ要求への反発と先行き不安が、部品メーカー側に広がっている。
ジーテクトの高尾社長は「中国の現地部品メーカーは、本来必要な固定費や安全コストすら負担しない低価格攻勢を仕掛けている」と正面から批判し、「こうした不公正な競争環境の中、日本の自動車部品産業の存続そのものが脅かされている」と訴えた。
品質を重視してきた日本式の系列構造が、中国の超高速・低コスト生産体制の前で急速に崩れつつあるとの見方が広がっている。
86%の依存から脱却へ…インド・中国現地大手への受注拡大を本格化
こうした状況を受け、部品メーカー各社は生き残りをかけてホンダ依存のサプライチェーンから脱却する独自の戦略づくりに乗り出した。
車体フレームを手がけるエイチワン(H-One)は、中国における主要顧客(ホンダ)向けの生産受け入れ規模が2025年3月末時点の75万3,000台から2026年3月末に63万7,000台に減少した後、今期はさらに50万4,000台まで落ち込む見通しを公式に認めた。
エイチワンの真弓世紀社長は「特定の主要顧客1社の動向に、会社の命運があまりにも大きく左右されている」として、現在86%に達するホンダ向け売上比率を大幅に引き下げる方針を打ち出した。
テイ・エス テックも、2032年3月期までにホンダ以外の完成車メーカーへのシート販売を現在の2倍超となる1,000億円規模に拡大する長期計画を固めた。
ヘッドライトなど光学部品を供給し、ホンダ向け比率が40%のスタンレー電気(Stanley Electric)は今期から日系以外の完成車メーカーへの供給拡大を打ち出した。
スタンレー電気の高野一樹最高運営責任者(COO)は部品業界の構造変化を端的に表現し「日系ブランドだけに依存しているままでは厳しいコスト競争を勝ち抜けない。急成長するインドや中国の現地完成車メーカーから大口受注を確保できない部品メーカーは市場から淘汰されていくだろう」と断言した。
長年にわたり技術と信頼で結ばれてきた日本の自動車産業の「系列」が、中国発のEVショックを受け、前例のない解体局面を迎えつつある。











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