
トヨタ自動車が企画から生産、販売まで部門ごとに異なっていた車両仕様書の規格を統一し、人工知能(AI)を活用して専門用語を大幅に削減するシステム改編に乗り出すと、日本経済新聞が30日報じた。同社は2028年までに関連システムを連携させて工程数を減らし、国内の自動車生産速度を高める計画だ。
トヨタは社内で使用していた車両仕様書の表現が企画、生産、営業、販売部門ごとに異なり、同じ部品でも車種や工程によって異なる記号や数字に変わる構造を変えることにした。例えば、企画段階で「A1ACオーディオレス」と記載された項目が生産工程システムでは「136S」などに変わるという具合だった。全工程の約30%にあたる195工程がこの用語翻訳作業に割り当てられていた。
同社は企画から販売まで全てのシステムを束ねる統合システムを構築し、AIが車両仕様書を自動的に修正して見やすくする計画だ。これにより、システムで使用する用語数は従来の9分の1の5,000語に減少する。各部門が別々に進めていた用語翻訳作業は事実上必要なくなるとトヨタは説明した。
トヨタでMS統括部室長を務める和田敏尚氏は、どの工程でも製造している車両の情報を知ることができるようになると述べた。新統合システムが順次各部門のシステムと接続されると、販売部門も生産状況をリアルタイムで把握でき、全社的な業務改善策も見出せるとした。
今回の改編はトヨタ内部だけでなく、部品メーカーにも影響を与える見込みだ。新システムはサプライチェーン全体の効率化を目指しており、部品メーカーが活用できるようにする計画も含まれている。現在、部品メーカーは年間生産計画だけを受け取り、自社部品の数量を計算しなければならず、一部企業はこの計算に年間720時間を費やしていた。
トヨタは2028年までに車両仕様書統合システムと連携システムを接続する予定だ。AIが品番ごとの必要数量を計算してサプライヤーに提供すれば、部品メーカーは供給部品の生産量まで確認できるため、設備投資などの経営判断にも役立つと日経は伝えた。
新システムの開発は2021年に始まった。プロジェクト名は「OMUSVI(おむすび)」だ。開発過程では車両仕様書を巡り企画から販売までどの部門がどの書類を受け取り、誰が承認するのかをフローチャートで整理した。その結果、全560の工程が絡み合った複雑な構造が明らかになったという。
複雑性が増した背景には約70年前の「工業・販売分離」がある。トヨタ自動車工業とトヨタ自動車販売が分離された後、両社を含む4つの部門はそれぞれ異なる方法で車両情報を再処理し、これを各自のコンピュータに読み込ませるようにしていた。その後1982年に「工業・販売合併」が行われた後も、各部門が専用システムを別々に作り、今まで続いてきた。
和田氏は新システムが稼働すればサプライチェーン全体を効率化し、競争力を高めることができると述べた。トヨタは国内で納車に1年以上かかる人気車種も保有しており、年間300万台の国内生産体制を維持することを目指している。











コメント0