セミの大合唱、実は耳に危険? 18歳少年が一時的な聴力低下

中国で18歳の少年が、キャンプ中に長時間セミの鳴き声にさらされた後、一時的な聴力低下を起こした。自然の音は安全だと思われがちだが、大きな音に繰り返しさらされると、耳の健康に悪影響を及ぼす恐れがあるとして注意が呼びかけられている。
5日(現地時間)、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)によると、中国浙江省寧波市に住む18歳の楊さんは7月初め、森でキャンプをした際、約4時間にわたって大きなセミの鳴き声にさらされた。
楊さんは木々が生い茂る森の中で、耳栓などを着けずに過ごした。夕方になると耳が詰まったような感覚や腫れを感じ、その後、鳥の鳴き声やスマートフォンの通知音など、高い音が聞き取りにくくなった。病院を受診したところ、騒音にさらされたことによる一時的な聴力低下と診断された。
幸い、楊さんは治療を受け、14日間にわたって騒音を避けながら休養した結果、聴力は正常な状態まで回復したという。
寧波大学第一附属病院の耳鼻咽喉科に勤務する李主任医師は、毎年夏になると、セミの鳴き声が原因で病院を訪れる患者は少なくないと明らかにした。
李医師は、「多くの人は自然の音であれば耳に害はないと誤解している」と指摘した。その上で、「セミ1匹の鳴き声は約70デシベルで、通常は問題にならないが、複数のセミが同時に鳴くと85デシベルを超えることがある」と説明した。85デシベルは、騒音による聴力障害のリスクが生じ始める目安とされている。
李医師は、「大きな音に短時間さらされるだけでも、蝸牛内の有毛細胞がダメージを受け、むくみが生じることがある」と説明した。さらに、「一般的には騒がしい環境を避け、1~2週間ほど休養すれば回復する」と述べた。
一方で、「有毛細胞は一度壊れると再生しないため、聴力低下が永続的に残り、補聴器に頼らなければならなくなる可能性もある」と警告した。
この出来事は中国のSNSでも話題となった。ある利用者は、「森でセミの声を聞くのは爽快なことだとばかり思っていたが、健康上のリスクにつながる可能性もあると知った」と投稿した。
