米軍、グアムにパトリオット大隊新設 中国・北朝鮮のミサイル脅威に対応
パトリオット戦力が逼迫する中、「グアム最優先」戦略が持つ意味
中国・北朝鮮のミサイル脅威高まる…米軍がグアム防衛に総力を挙げる理由
米陸軍、パトリオット大隊増強へ…東アジアの安全保障情勢に変化

米国は、西太平洋の主要軍事拠点であるグアムに、新たなパトリオット防空大隊を配備する。10月に創設される予定の同部隊は、北朝鮮と中国によるミサイルの脅威が日増しに高まる中、グアム全域を網羅する「360度多層防空網」を完成させるための措置だ。
THAAD・イージス艦にパトリオットも…グアムの「防空の傘」を強化
18日、米軍事専門メディア「The War Zone(TWZ)」によると、新設される部隊は米陸軍の「第43防空砲兵連隊第3大隊」に指定される予定だという。グアムではすでに2013年から高高度ミサイル防衛システム「THAAD(終末高高度防衛ミサイル)」部隊が運用されており、海上にはイージス弾道ミサイル防衛艦が配備されている。
しかし、高高度防衛を中心とする既存の防衛網だけでは、精密打撃能力や巡航ミサイル戦力を強化してきた中国や北朝鮮の脅威に完全に対処することは難しいとの指摘が出ていた。これを受け、米軍は高高度を担うTHAADと中・低高度を担うパトリオットシステム、さらに「AIM-9Xサイドワインダー」を迎撃ミサイルとして使用する移動式地上発射台「エンデュアリング・シールド(IFPC)」を統合し、多層的な防衛体制を構築することを決めた。
連邦政府・地元当局による数年間の「水面下の作戦」

今回の大隊創設は、単なる部隊の移動にとどまらず、数年にわたる水面下での政治・軍事面の協議の成果だ。米第94陸軍防空・ミサイル防衛司令部(AAMDC)のマット・ダルトン副司令官(陸軍大佐)は、アラバマ州ハンツビルで開かれた宇宙・ミサイル防衛シンポジウムで、「ここ数年、防衛設計、知事室、米連邦航空局(FAA)、地元当局や地域社会との調整などに多大な労力を注いできた」とし、「今、その成果が表れ始めている」と明らかにした。
実際、すでに新任の大隊長が着任しており、THAAD要員とは別に約120人の専任要員がグアムに配置され、兵器システムの引き渡しを待っている。住宅や兵舎の整備、建設工事などのインフラ整備が最終段階に入ったことから、米軍は順次、ミサイル部隊を実戦配備する計画だ。
パトリオット戦力が逼迫する中、「グアム最優先」戦略が持つ意味
今回の配備が特に注目されるのは、米陸軍のパトリオット戦力が世界的な需要の急増によって極めて逼迫した状態にあるためだ。中東や東欧情勢の不安定化により、パトリオット部隊の展開を巡る負担が限界に達する中でも、米軍はグアムに新たな大隊を配備する決断を下した。
一部では、米軍が今回の措置を通じ、西太平洋の前方基地としてグアムを死守するという戦略的な意思を明確にしたとの見方が出ている。有事の際、インド太平洋地域に展開する米軍戦力の「出発点」であり「後方補給拠点」でもあるグアムの防空網を全面的に強化することで、東アジアの安全保障情勢において象徴的かつ実質的なけん制力を確保したとの評価が出ている。



