ロシア最大ECに空爆被害、損失最大1.51兆円 プーチン氏が復旧支援指示
ワイルドベリーズはロシア最大のEC企業…高麗人女性が共同創業

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は19日(現地時間)、ウクライナの空爆で被害を受けた物流・倉庫施設について、国家レベルで復旧を支援するよう指示した。タス通信によると、プーチン大統領は同日、戦略発展・国家プロジェクト評議会の会議で「物流・倉庫施設は国家の支援も含めて復旧しなければならない」とし、「政府はそのためのプログラムを策定すべきだ」と述べたという。
続けて「被害を受けた施設を単に復旧するのではなく、根本的に新しい技術水準で再建しなければならない」と語った。プーチン大統領は「ウクライナによる産業・インフラ施設への攻撃はロシアに損害を与えている」としながらも、「国家経済やインフラに致命的な結果をもたらしておらず、今後ももたらすことはできない」と述べた。また「ロシアの貿易インフラは最近の『テロ攻撃』にもかかわらず、安定して機能している」とした。
プーチン大統領は「今年のロシアの国内総生産(GDP)成長率は1%に達する」とし、ロシア経済について、成長は弱いものの前向きな流れを維持していると評価した。英フィナンシャル・タイムズ(FT)は、プーチン大統領の指示が、ウクライナの攻撃で被害を受けたロシア最大の電子商取引(EC)企業「ワイルドベリーズ」への支援につながる可能性があるとみている。
これに先立ち、ワイルドベリーズのCEOで共同創業者のタチアナ・キム氏が政府に支援を要請したとされる。キムCEOは高麗人の女性だ。ワイルドベリーズでは昨年の7月以降、ウクライナの空爆により20か所以上の物流倉庫が被害を受けた。少なくとも9人の従業員が死亡し、数十人が負傷した。一部の倉庫は操業を停止した。
ドイツのドイチェ・ヴェレによると、ロシアの電子商取引コンサルティング会社「データ・インサイト」は、ワイルドベリーズが最大4,800億ルーブル(約9,068億4,000万円)相当の商品と、物流倉庫スペースの約3分の1を失った可能性があると推計した。同社と出店業者の被害を合わせると、最大8,000億ルーブル(約1兆5,100億円)に達する可能性があると推定した。
ウクライナは、ワイルドベリーズが航法装置やドローン(無人機)生産用部品、ロシア軍向けのその他の補給品など、戦争に必要な装備の流通に利用されていると主張している。一方、ロシアはワイルドベリーズが民間目的のみに運営されていると反論している。

