東京のオフィス空室率、世界主要都市で最低 出社回帰で需要回復
東京のオフィス空室率1.5%、世界主要都市で最低
日本の出勤率58.8%、世界平均を上回る
米国はAIによる人員削減で需要回復に遅れ
建設費高騰と人手不足で新規供給にも支障

東京のオフィス空室率が1.5%まで低下し、世界の主要都市の中で最も低い水準となったと、日本経済新聞が18日報じた。コロナ禍以降、日本企業が比較的早くオフィス勤務へ戻ったことに加え、米国に比べて人工知能(AI)を活用した人員削減が緩やかに進んでいることから、オフィス需要が急速に回復したとみられる。建設費の上昇や人手不足によって新規供給も遅れており、東京のオフィス需給は今後さらに逼迫する見通しだ。
世界的な不動産サービス大手CBREが最近公表した資料によると、第1四半期の東京のオフィス空室率は、調査対象20都市の中で最も低い1.5%だった。ニューヨークの12.0%、パリの10.3%、北京の18.5%、ロサンゼルス(LA)の21.6%と比べても、大幅に低い水準だ。
東京の空室率はコロナ禍以降、急速に低下している。オフィス需要が最も低迷していた2023年第3四半期の5.2%から、2年半で3.7ポイント低下した。同じ期間、ニューヨークやLA、パリなど一部の都市では空室率がむしろ上昇しており、東京の低さが一段と際立っている。
需要回復をけん引したのは、企業の早い「オフィス回帰」だ。世界的な建築設計会社ゲンスラーによると、今年の日本のオフィス出勤率は58.8%で、世界平均の54.8%を上回った。リモートワークを経験した企業が、対面でのコミュニケーションや人材育成の重要性を改めて評価し、出社義務を再び強化する動きが広がっている。
GMOインターネットグループは先月、在宅勤務の推奨制度を完全に廃止した。全面的なリモートワークを認めていたLINEヤフーも昨年、出社義務を復活させたのに続き、今年は赤坂オフィスの開設を機に、原則として週3日の出社体制へ移行した。
採用競争が激しくなる中、優秀な人材を確保するには、快適な執務環境や教育環境が必要だという認識が広がっていることも、オフィス需要を下支えしている。
AI導入の進み方の違いも、米国と日本のオフィス市場を分ける要因となっている。米国では金融機関やコンサルティング会社を中心に、AIを活用した生産性向上や人員削減が進み、オフィスを縮小する企業が増えている。
一方、日本ではAIの活用が、オフィス需要を押し下げるほどにはまだ広がっていない。ゲンスラーは、約5年後には日本でも変化が表れる可能性があるとみている。
需要が増えても、供給を増やすのは容易ではない。建設費の急騰や建設人材の不足により、新築オフィスの完成が遅れたり、開発そのものが中断されたりするケースが相次いでいるためだ。CBREは、新築の大型ビルが供給されるたびに、質の高いオフィス環境を求める新たな需要が生まれてきたとし、供給の遅れが続けば、増えた需要を十分に吸収できなくなる可能性があるとみている。


