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2026年8月21日(金) 東京 --

イランの報復構想、中東から欧州へ 米軍基地と海底ケーブルも標的に

引用:記事の内容と関連しAIツールで作成されたイメージ

米国との軍事的対立が激化する中、イラン内部で、中東にとどまらず欧州と世界の安全保障・経済網を直接たたく「極端な戦線拡大シナリオ」が浮上している。

イラン軍および政権中枢では、ブルガリアやキプロスなど南欧の米軍基地への直接報復はもちろん、世界の通信網の動脈であるホルムズ海峡の海底光ケーブル切断まで検討していたという。単なる域内での武力誇示にとどまらず、世界規模の通信・物流の混乱を狙った緻密な威嚇戦略だとの分析が出ている。

南欧の米軍基地を標的に…射程2,000km制限を解除か

引用:Telegram
引用:Telegram

18日(現地時間)付の英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)など主要海外メディアによると、イランは米国との全面戦争が起きた場合に、ブルガリアのベズメル空軍基地やキプロスにある英軍・米軍の空軍基地など、南東欧一帯の米軍資産を直接たたく案を議論していた。ブルガリアは最近、米軍機による空中給油拠点としての利用を承認したばかりで、イランはこれを直接的な安全保障上の脅威と受け止めたとみられる。

これまでイランは、ミサイルの射程を公式に2,000kmに制限してきた。しかし、4,000km離れたインド洋のディエゴガルシア基地を狙った弾道ミサイル発射の試みや、南欧を標的とする検討が明らかになったことは、イランが自ら引いた線を越え、遠距離精密攻撃の能力を誇示しようとする意図をうかがわせる。

イランはこれまで、イラクのシーア派民兵やレバノンのヒズボラ、イエメンのフーシ派といった「抵抗の軸」と呼ばれる代理勢力を支援し、非対称戦を展開してきた。それに加え、本土から米国の同盟国を直接たたく選択肢にも手を伸ばし始めた形だ。

「地球規模の情報動脈」ホルムズ海底ケーブル遮断という選択肢

最も衝撃的なのが、ホルムズ海峡の海底光ファイバーケーブルへの攻撃計画だ。同海峡は世界の原油輸送の要衝であるだけでなく、アジアと欧州を結ぶ主要な通信ケーブルが通る経路でもある。

イランがこのケーブルを断ち切れば、世界の金融取引やデータ通信、軍事通信網に致命的な混乱が生じかねない。

原油輸送路の封鎖という経済的な瀬戸際戦術にとどまらず、デジタルインフラを人質に取る「ハイブリッド戦」へと戦術の軸を移す狙いがあるとみられる。

「実際の打撃能力には疑問」…強硬派が前面に出るなか、「ブラフ」との見方も

一部では、イラン政権内部で強硬派が台頭していることが、こうした極端なシナリオを後押ししているとみる。モジタバ・ハメネイ最高指導者が軍の要職に強硬派を相次いで起用し、米・イラン交渉が停滞する中で、政権内には米軍との衝突を「既定路線」と受け止める空気があるという。

ただ、専門家の間ではイランの長距離打撃能力に懐疑的な見方も根強い。英王立防衛安全保障研究所(RUSI)など主要な安全保障シンクタンクは「イランが中距離弾道ミサイルで南欧の一部を脅かすことはできるが、弾頭重量を削らざるを得ず、実質的な被害を与えるのは難しい」と指摘する。

射程が伸びるほど命中精度が低下し、西側諸国の防空網に迎撃される可能性も高まる。このため、実質的な軍事効果を狙うというより、西側の恐怖心をあおるための「陽動作戦」的なブラフである可能性も指摘されている。

一方で米軍も、イランがインフラを攻撃すれば報復の水準を一気に引き上げると警告している。小さな偶発的衝突が、南欧と中東全域を巻き込む事態に発展しかねないとの懸念は強い。

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