NATO、相次ぐドローン侵入に対応 高価な戦闘機への依存が課題
ドローン1機にイタリア・トルコの戦闘機4機が緊急出撃
相次ぐ領空侵犯にNATO、高価な戦闘機対応のジレンマ

北大西洋条約機構(NATO)がラトビアの領空に侵入した正体不明のドローン1機を迎撃するため、戦闘機4機を緊急出撃させた。最近ロシアとウクライナの電子戦の影響でドローンがNATOの領空を行き来する事例が増加しており、高価な戦闘機を繰り返し飛ばさなければならないNATOの負担も増大している。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)やロイター通信などは14日(現地時間)、ラトビア東部の領空に出所不明のドローン1機が侵入したと報じた。NATOはリトアニアに配備されたイタリア空軍のユーロファイター2機とエストニア基地のトルコ空軍F-16 2機を出撃させた。このうちイタリアのユーロファイター1機がドローンを識別し、撃墜した。
ドローンはロシア国境から約35km離れたラトビアのルガイ近くの上空に侵入した。ラトビア軍は墜落した残骸を探すために周辺の森を捜索したが、地形が険しいため捜索に苦労した。当時ラトビア国防省はドローンの出所を即座に特定しなかった。
ラトビア側は、この侵入がロシアの電子戦活動に関連している可能性が高いと見ている。ロシアがウクライナの長距離攻撃ドローンのGPSを妨害し、一部のドローンが予定された航路を外れて周辺のNATO加盟国の領空に流れ込んでいるという。WSJは、このような事例が今年の夏ほぼ毎週発生していると報じた。
ドローン1機にユーロファイター・F-16まで

今回の対応が注目されたのはドローン1機に投入した戦力のためだ。NATOはユーロファイターとF-16など高性能戦闘機4機を同時に飛ばした。ドローン自体は大量生産が可能な比較的安価な武器だが、これを探知し迎撃するには高価な戦闘機とミサイル、地上防空システムを動員しなければならない。
WSJは、このような対応方式がNATOの軍事的な持続力だけでなく、財政にも負担をかけていると指摘した。安価なドローンに対抗するために戦闘機を緊急出撃させ、高価な防空ミサイルを発射する方式は長期間継続することが難しいからだ。
実際に類似の事件は2日後にも発生した。16日、モルドバからルーマニアの領空に入ったドローンを迎撃するためにスペイン空軍F-18戦闘機2機が出撃し、このうち1機がドローンを撃墜した。NATOは当時このドローンがロシアから飛来したと見られると明らかにした。
NATOはこれにより、戦闘機への依存度を低減できる地上配備型の迎撃システムの確保を急いでいる。NATO関係者はルーマニアを含む加盟国がドローン対応のための地上迎撃装置を追加導入していると説明した。
「誤って侵入したのか、NATO防空網を試すのか」

問題はすべての領空侵犯を単なる偶発的な状況として見ることができない点にある。ロシアがウクライナのドローンの航法を妨害した結果、一部がNATOの領空に流れ込む可能性があるが、西側軍当局はロシアが意図的にドローンを送り、ヨーロッパの防空網を試す可能性も警戒している。
バルト3国では今年に入り、ウクライナのドローンとみられる機体が相次いで領空に侵入し、墜落・撃墜される事例が発生している。5月にはルーマニアのF-16がエストニア上空でウクライナのドローンを撃墜し、6月にはフランスのラファール戦闘機がラトビアで別のドローンを撃墜した。フィンランドでも今年3月にウクライナのドローン2機が墜落し、ウクライナはロシアの電波妨害が原因である可能性を指摘し謝罪した。
同時にバルト諸国はロシアが奪取したウクライナのドローンを利用して「偽旗」攻撃を行う可能性まで懸念している。これを受け、発電所や天然ガス施設、ダムなど主要インフラ周辺の警戒を強化している。
NATOにとってドローン1機をただ見過ごすことも難しい。実際に攻撃用なのか、電子戦のために航路を逸脱したのか即座に判断することが困難だからだ。しかし、侵入のたびに高価な戦闘機を複数機飛ばす方式も持続可能ではない。ロシア・ウクライナ戦争で安価なドローンが戦場の核心武器として位置づけられたのに続き、今やNATO防空網のコスト構造まで揺るがしている。

