株価急落後に「自殺防止カメラ新設」SNSで広がった情報の正体

韓国で最近、株式市場が急落した後、韓国政府が自殺を防ぐためソウルの漢江にある橋に監視カメラ(CCTV)を新たに設置し、報道を検閲しているとの主張が海外のSNSを中心に広がったが、事実ではない偽情報であることが確認された。
AFP通信は8日(現地時間)、ファクトチェック記事で「2026年7月末、韓国総合株価指数(KOSPI)が大幅に下落した後、『韓国当局が自殺を防ぐため漢江の橋にカメラを設置している』との虚偽の主張が『X(旧Twitter)』などのSNSで拡散している」とし、この主張を否定した。
今回の騒動は、AFP通信が7月28日に報じた「人工知能(AI)を活用した漢江の自殺防止カメラシステム」に関する記事や写真を、一部の海外ユーザーが同日に起きたKOSPIの急落(10%以上下落)と独自に結び付け、事実を歪曲したことから始まった。一部の投稿では、韓国の李在明(イ・ジェミョン)政権が株式市場の激しい変動を受け、自殺に関する報道を検閲しているとの根拠のない疑惑まで付け加えられた。
しかしAFP通信によると、漢江にある橋のAIカメラシステムは最近の株価下落とは何の関係もないという。ソウル市消防災難本部・漢江橋梁CCTV統合管制センターのキム・ジュニョン所長はAFP通信の取材に対し、「管制センターの工事は2021年4月に始まり、システムは2022年1月からすでに全面稼働している」と説明した。
現在、漢江にある17の橋では約900台のAI搭載CCTVが運用されている。危険区域への立ち入りや非常用相談電話の周辺に長時間とどまるといった危険な行動をAIが検知し、救助当局に知らせる仕組みで、昨年だけでも1,200件以上の危険な状況を検知し、人命救助につながった。
「KOSPIの急落で自殺が急増した」との主張についても、根拠がないことが確認された。韓国保健福祉部はAFP通信に対し、「最近の株式市場の下落後、自殺関連の数値に異常な変化は確認されていない」と明らかにした。7月29日に発表された最新の統計によると、今年5月の自殺者数は1,071人で、前年同月に比べ130人減少したという。
AFP通信はまた、韓国政府が7月14日、自殺防止対策として全国規模の債務相談ホットラインを設置する方針を発表したものの、これは漢江の橋に設置されたAI監視システムとは無関係の別の政策だと指摘した。その上で、2021年から整備が進められてきた韓国の自殺防止システムに関する報道を、一部の海外ユーザーが時系列を誤って解釈し、利用したことで偽情報が広がったと結論付けた。
