ベッセント米財務長官との交渉窓口を維持へ…片山財務相を留任
高市首相、16日にも内閣改造
消費税減税と円安対応を同時に

高市早苗首相は、早ければ今月16日に実施する内閣改造で、片山さつき財務相を留任させる方向で調整に入った。消費税減税法案への対応に加え、スコット・ベッセント米財務長官との金融政策を巡る協議の継続性を確保する狙いが反映されたとみられる。
9月4日、毎日新聞によると、高市首相は9月中旬から下旬にかけて実施する内閣改造で、片山財務相を留任させる方針だという。自民党役員人事では、鈴木俊一幹事長と麻生太郎副総裁も留任する見通しだ。複数の政府・与党関係者によると、高市首相は政権運営の安定性を重視し、現政権の骨格を維持する方針だ。
首相の最側近として主要政策の調整を担ってきた木原稔官房長官も留任する見通しだ。自民党の小林鷹之政務調査会長は、続投または閣僚への起用を含め、要職で処遇される見通しだ。
片山財務相の留任には、今秋の臨時国会で進める消費税減税が大きく影響したとみられる。政府は、飲食料品の消費税率引き下げを含む関連法案の成立を目指している。財務相は税制改正を担う中心的な立場にあるだけに、政策の継続性が必要だとの判断だ。
米国との関係も留任の背景に挙げられる。片山財務相は最近まで、ベッセント米財務長官と金融政策や為替問題を巡って協議を続けてきた。米側が最近、円安や緩和的な金融政策への問題意識を相次いで示す中、財務相の交代が両国間の政策調整に負担となりかねないとの判断があるとみられる。
高市首相が麻生副総裁と鈴木幹事長をともに留任させようとしているのは、脆弱な党内基盤を補う狙いもあるとの見方が出ている。麻生副総裁は昨秋の自民党総裁選終盤に高市首相への支持を表明し、政権発足に重要な役割を果たした。鈴木幹事長は麻生副総裁の義弟で、側近とされる。
高市首相は8月25日、首相官邸で麻生副総裁と2人きりで昼食をともにした。政権発足後、2人だけで食事をしたのは初めてだ。自民党内で唯一の派閥である麻生派が約60人を擁することから、来秋に予定される自民党総裁選を前に、麻生副総裁との協力関係を維持する狙いがあるとみられる。
人事の時期は、税制改正の日程と連動する見通しだ。政府が飲食料品の消費税減税などを盛り込んだ税制改正大綱を15日に閣議決定した場合、高市首相は早ければ16日にも内閣改造と党役員人事を行う案を検討している。
ただ、高市首相は22日から始まる国連総会の一般討論演説に合わせて米国を訪問する予定で、税制改正大綱の決定が遅れた場合、人事は帰国後の9月下旬にずれ込む可能性もある。
政府・与党は、人事が予定通り完了すれば10月初めに臨時国会を召集し、消費税減税関連法案の成立に向けて動く方針だ。
