米民主党48議員、イラン戦争費用の公表要求 トランプ政権に書簡
米下院議員48人、トランプ大統領とヘグセス長官に書簡

米民主党の議員らが米トランプ政権に対し、イラン戦争にかかった費用の総額を公表するよう求めた。11月の中間選挙を前に、イラン戦争の長期化に伴う物価上昇や費用負担を浮き彫りにする狙いがあるとみられる。
デレク・トラン下院議員(カリフォルニア州)は24日(現地時間)、ジェイソン・クロウ下院議員(コロラド州)、マギー・グッドランダー下院議員(ニューハンプシャー州)ら米民主党の同僚議員とともに、米国のドナルド・トランプ大統領とピート・ヘグセス国防長官に対し、イラン戦争による経済的コストについて説明を求めたと明らかにした。
議員らは、米国防総省によるすべての作戦費用、原油・エネルギー市場への影響、マクロ経済への影響に関する評価を提出するよう求める書簡を21日に送付した。書簡には米民主党の下院議員48人が署名した。書簡では特に戦争費用について、人件費や作戦・維持費だけでなく、調達費用、軍需企業への支援費用、戦力態勢の維持費用なども含めるべきだと主張した。
ヘグセス長官は7月、米上院歳出委員会で、これまでのイラン戦争の費用は約375億ドル(約5兆9,800億円)に上ると明らかにした。ただ、イランの攻撃で損傷した中東の軍事資産の復旧や兵器在庫の補充まで考慮すれば、実際の費用はさらに膨らむとみられている。
NBCは7月、基地の復旧や航空機の代替、兵器在庫などを含めた米国防総省内部の推計額が800億~1,000億ドル(約12兆7,500億円~15兆9,400億円)に上ると報じた。米行政管理予算局(OMB)のラッセル・ヴォート局長は6月、米国防総省向けに671億ドル(約10兆6,900億円)規模の補正予算を要請していた。
米民主党の議員らは11月の中間選挙を前に、米トランプ政権の失政を浮き彫りにするため、イラン戦争の長期化を問題視している。議員らは書簡で「物価を押し上げている要因に、さらに資金を投じるよう政権が求めることは容認できない」とし、「政権は紛争を終結させ、米国民が抱える現実的な経済的懸念の解消に集中すべきだ」と訴えた。
米国とイランは6月、和平合意に向けた了解覚書(MOU)を締結したが、7月初めに再び交戦し、戦争は事実上再開した。両国はその後、ホルムズ海峡の開放などをめぐって交渉を続けているものの、停戦合意にはなかなか至っていない。米財務省は24日、イランと取引する第三国も制裁対象にする趣旨の「経済的追放作戦」を開始すると発表した。交渉力を高めるため、イランに対する経済的圧力を強化する措置とみられる。



