高市首相、企業経営者との直接面談は14人 岸田・石破両政権を下回る、AI・半導体企業とは積極交流
岸田氏15%・石破氏23%より低い
国内企業は業界団体を通じて意思疎通
アンソロピック・TSMCなどとは直接面談
AI・半導体など戦略産業での動きに注目

高市早苗首相が就任以来、286日間で会談した特定の企業の経営者は、14人にとどまったことが分かった。前任の首相と比べて財界との接触は減った一方、AIや半導体など海外の先端企業の最高経営責任者(CEO)とは相次いで会談を行った。
11日、日本経済新聞が、昨年10月21日の高市政権の発足以降、今月2日までの首相の面談日程を分析したところ、高市首相が会った民間人は延べ150人だった。企業経営者は14人(9%)にとどまった一方、業界団体の代表は58人(39%)に達した。
前任の首相と比べると、その差は大きい。就任後の同期間で、岸田文雄前首相は民間人359人のうち企業経営者54人(15%)、石破茂前首相は199人のうち46人(23%)と会っている。
高市首相は、特定の企業より、業界団体を通じて産業界の声を聞く場合が多かった。トヨタ自動車の豊田章男会長とは、日本自動車会議所の会長として、みずほ銀行の加藤勝彦頭取とは、全国銀行協会の会長として会談した。
特定の企業の成長や投資の戦略より、業界団体を通じて法や制度、予算に関する要望を聞く場合が多かったという分析だ。
一方、海外の先端企業のCEOとは直接接触した。就任直後である昨年10月、米AI企業アンソロピックのダリオ・アモデイCEOと会談し、マイクロソフトやオラクルなど米IT企業とも対話した。
今年2月には、世界最大の受託生産(ファウンドリー)企業である台湾TSMCの魏哲家(ウェイ・ジャージャー)会長兼CEOの表敬訪問を受けた。
これらの企業は、AIや半導体、クラウドなど政府が戦略的に育成する分野に関わっている。高市内閣はAIや半導体を含む17の戦略分野を選び、国内の投資を拡大している。AIと半導体は、経済安全保障と成長投資の中核の分野とも位置づけられている。
経済界との関係の構築は、相対的に遅れている。経団連や日本商工会議所、経済同友会など「経済3団体」の代表との個別の昼食会を始めたのも、就任から7カ月後の5月からだ。経済団体側が継続的に会談を求めた末に実現した。
首相の周辺では「経済界との関係が弱いという声を聞いて対応したものだ」という説明も出ている。歴代の首相が朝食や夕食を経済人との情報交換の機会として活用してきたのとは異なり、高市首相は自らを「メシ会苦手な女」と表現してきた。
ただ、日銀の植田和男総裁とは、就任以降4回、直接会っている。日銀の利上げを前にした昨年11月と今年5月にも、個別に会談した。

