
日産と中国の奇瑞汽車(チェリー)が欧州での現地生産協力の協議に乗り出し、業界の注目を集めている。かつて競合関係にあった日系と中国の自動車メーカーが連携に動く可能性が浮上し、欧州市場の勢力図に変化をもたらすとの見方が広がっている。
両社はこのほど、英国での生産協力を検討するための覚書を締結し、日産の英国サンダーランド工場でチェリー車を受託生産する案を協議していると伝えられている。
日産は2026年5月、車両生産を第2ラインに集約する方針を発表し、空くこととなる第1ラインの活用策としてチェリー車の受託生産案を検討している。工場の所有権は日産が維持し、生産も日産の従業員が担当する予定だ。交渉が順調に進めば、2027年度の生産開始を目指す方針が示されている。
英国での販売台数、チェリーグループが日産を上回る
両社の協力案が注目を集める背景には、販売実績の大きな開きがある。
チェリーは現在、英国市場でチェリー、オモダ(Omoda)、ジェクー(Jaecoo)ブランドを展開している。先月、これらのブランドの合計販売台数は1万52台に達した。一方、同期間の日産の販売台数は4,079台にとどまっている。販売台数の面ではチェリーグループが日産を上回っている状況にある。
中国ブランドの欧州現地生産、拡大の足がかりとなるか
業界では、今回の協力が中国ブランドによる欧州現地生産拡大の先駆けになるとの見方が強い。
ステランティスと東風汽車が欧州での生産協力に動くなど、中国ブランド各社は関税や物流コストの負担を抑えるべく、現地生産体制の整備を急いでいる。
業界関係者は「欧州市場で中国ブランドの影響力が急速に高まっている」と指摘したうえで、「日産とチェリーの協力が実現すれば、日系メーカーが中国ブランド車を生産する象徴的な事例になりうる」と分析した。











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