
トヨタが自動運転技術の開発に向け、日本のスタートアップ、ティアフォー(TIER IV)と資本・業務提携を結んだ。日本経済新聞が10日に報じた。両社はロボタクシーの本格普及を見据え、地域ごとに最適なパートナーと組むことで、開発の加速と安全性向上を目指す。
トヨタは、子会社のトヨタ・インベンション・パートナーズを通じて約10億円を投資し、出資比率は1%とされる。両社は協業に向けた覚書も締結した。
トヨタはティアフォーの技術を活用し、EV「e-Palette」に2027年度にはレベル4に準拠した自動運転システムの搭載を目指すとしている。「e-Palette」はシャトルバスとしても活用できるよう設計された車両で、トヨタは2025年9月に発売した。
トヨタは自社開発を続ける一方で、提携先も広げている。国や地域ごとに需要が異なることから、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)など複数の選択肢を並行して進める「マルチパスウェイ」戦略を、自動運転分野にも応用している形だ。
日本ではバス型車両への自動運転技術の搭載を急ぐ一方、米国や中国のようにロボタクシーが実用化段階に入った市場では、現地のテック企業との協業を選択している。
トヨタは2019年に中国のPony.aiと提携し、2025年にはGoogleの親会社Alphabet傘下のWaymoとも基本合意に達した。これにより、日本、米国、中国という主要市場で、自動運転を活用した配車サービスの展開を推進してきた。
市場調査会社のGlobal InformationとMarketsandMarketsによると、2030年の世界の自動運転車市場は、2024年の2倍以上に拡大する見通しだ。市場拡大が見込まれる一方、各国の法整備や商用化の進捗には差がある。
トヨタは現地企業と組み、実証データを幅広く確保することが有利と判断したとみられる。今回の提携により、日本、米国、中国の主要市場をそれぞれ見据えた戦略が、より明確になったとの見方が出ている。
自動運転車は安全性の確保や法整備が引き続き課題だが、米国と中国ではロボタクシーがすでに実用化されている。EVの普及率が高い中国では、乗用車への自動運転技術の搭載も進んでいる。
日本政府も人手不足への対応策として自動運転を重視している。政府は2027年度までに、レベル4自動運転サービスを全国100か所以上で実現する目標を掲げている。
ティアフォーには、スズキ、いすゞ自動車、SOMPOホールディングス、KDDI、ソニーグループなども出資している。同社は、名古屋大学と産業技術総合研究所などが開発した自動運転向け基本ソフトウェア「Autoware」を活用するため、2015年に設立された。
ティアフォーは、誰でも利用できるオープンソース方式を採用し、世界各地の技術を取り込みながら開発を加速させる方針だ。実用化競争で先行するWaymoや、テスラをはじめとする米国勢に対抗する軸となることも視野に入れている。
ティアフォーはいすゞ自動車、スズキとともに、自動運転技術を活用したバスや軽自動車の共同開発も進めている。国内最大手のトヨタとの協業は、「オールジャパン」での技術開発と社会実装を早める契機になると期待されている。











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