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2026年8月24日(月) 東京 --

ドル離れでスイスフランに資金流入、AIバブル崩壊なら一段の上昇

スイス・フラン、DXY構成通貨で最大の上昇率

米国の金利介入でドルに「リスクプレミアム」

対外純資産(NIIP)、GDP比111%…米国は-71%

豊富なNIIPと低い政府債務が魅力に

引用:EPA通信
引用:EPA通信

米ドルに代わり、「代表的な安全資産」であるスイスフランに投資しようとする動きが市場で広がっている。日本と米国による異例の為替市場への協調介入に続き、米国のスコット・ベッセント財務長官が米国債の買い戻し(バイバック)を40億ドル(約6,357憶1,800万円)に倍増すると発表した。当局による市場介入姿勢が一段と鮮明になった形だ。

23日、ブルームバーグのデータによると、18~21日の3日間でスイスフランは米ドルに対して1.39%急騰したという。これは米ドル指数(DXY)を構成する主要6通貨(ユーロ、円、英ポンド、カナダドル、スウェーデンクローナ、スイスフラン)の中で最大の上昇率になった。同期間のユーロの上昇率は0.89%、円は0.42%にとどまった。

一方、DXYは軟調に推移している。18日に99.6台だったDXYは、米財務省がバイバックを発表した19日以降、98.8台まで下落した。米国債利回りの上昇を人為的に抑えようとする当局の介入姿勢が鮮明になったことがきっかけだ。これを受け、市場ではドル安という形で「リスクプレミアム」が織り込まれているとの分析が出ている。

ブルッキングス研究所のロビン・ブルックス上級研究員は自身のブログで、バイバックの拡大について「米国が日本と同様、通貨価値下落への道を歩んでいることを示す最も明確なシグナルだ」と指摘した。さらに、「財政政策が制御不能になれば、政府は国債利回りを抑えるために様々な手段を講じることができる。しかしそれは結局、市場が求めるリスクプレミアムを得られなくすることで、通貨価値への下落圧力を一段と強めるだけだ」と主張した。

スイスフランをめぐるこうした変化はデータにも表れている。世界的な金融サービス会社ストーンXのリサーチプラットフォーム「フォレックス・ドットコム(FOREX.com)」によると、これまで米国債と正の相関関係にあったスイスフランは、直近5日間で急速に負の相関関係へと転じたという。

一方、恐怖指数とも呼ばれるVIX指数など、ボラティリティー指標との正の相関関係は急速に強まっている。安全資産として米国債とスイスフランの双方に投資していた投資家が、リスク資産を回避する中で、米国債よりもスイスフランを選ぶ動きを強めていることを意味する。

スイスフランの魅力は、健全な財政基盤にも支えられている。スイスの昨年の対外純資産(NIIP)は国内総生産(GDP)比で約111%に達した。一方、米国のNIIPはGDP比で-71%程度になっている。世界3大格付け会社の一つであるフィッチ・レーティングスは今年3月、スイスの信用格付けを最上位の「AAA」に据え置き、「政府債務は同格付け国の中で最も低い水準にある」と分析した。フィッチは2023年、財政状況の悪化を理由に米国の信用格付けを「AAA」から「AA+」に引き下げている。

引用:ロイター通信
引用:ロイター通信

こうした中、人工知能(AI)関連株に売りが広がった場合、スイスフランが一段と上昇するとの予測も出ている。米国経済が抱える二つの弱点である「財政赤字」と「ハイテク株のボラティリティー」に対する代替先として、スイスフランが注目されている格好だ。

20日(現地時間)の米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ハリー・チェンバース氏は、AIバブルが崩壊する時期を来年と予測したという。彼は「それによって安全資産への需要が高まり、スイスフランがユーロに対して上昇する可能性が高い」と分析した。

チェンバーズ氏は、現在と似た事例として、インターネット・バブル当時にスイスフランがユーロに対して3.5%上昇したことを挙げた。その上で「スイスフランは今年、1ユーロ=約0.94フラン(約187円)の水準を維持した後、2027年末までに約3%上昇すると予想している」と付け加えた。

ただ、スイスフラン高をめぐるスイス当局の思惑は複雑だ。スイス国立銀行(SNB)のマルティン・シュレーゲル総裁は今年1月、「世界的な不確実性が高まるたびにスイスフランの価値が上昇するが、これはスイス中央銀行の金融政策運営を難しくする要因だ」と指摘した。特に、スイスのインフレ率が2008年以降で最低水準を記録していることは、デフレへの懸念を強めている。通貨価値まで上昇すれば「マイナス金利」政策を導入せざるを得なくなる可能性もある。

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