
車のフロントガラスを洗浄する際に使うウォッシャー液は、何げなく補充する消耗品だが、火災につながる危険も潜んでいる。ウォッシャー液がどのような成分でできており、なぜ火に弱いのかを知っておけば、万が一の状況でも慌てずに対応しやすい。
ウォッシャー液は何でできているのか
ウォッシャー液は主に水と界面活性剤を基本とし、冬場に凍らないようにする凍結防止剤が含まれている。この凍結防止剤が、火災と直結し得る成分だ。かつては工業用メタノールが凍結防止剤として広く使われていたが、失明や死亡を招くおそれがあり、1級発がん性物質に分類されることから、最近では比較的有害性の低いエタノールに置き換えた製品が増えている。

メタノールもエタノールも火に弱い
メタノールもエタノールも、引火性物質であることが問題だ。特にエタノールはメタノールより引火点が約8℃低く、むしろ火がつきやすい性質がある。さらに冬季用ウォッシャー液は、通年用より凍結しにくいようアルコール成分を多く含んでおり、火災のリスクが高まる。
実際の火災実験では、アルコール系ウォッシャー液が炎に触れると燃焼が急速に広がり、その過程で発生した蒸気が電気スパークに触れると、赤い炎が持続的に発生することが確認された。交通事故などでウォッシャー液タンクが破損した場合、高温になったエンジンルームの表面に液体が飛び散り、蒸気が発生することがある。この蒸気が外に逃げずエンジンルーム内にとどまると、小さな火花でも発火する危険が高まる。

ドライバーは安全ルールを守るべきだ
ウォッシャー液を補充する際は、タバコの火など火気の近くで作業しないことが基本だ。ウォッシャー液タンクや接続ホースに亀裂、液漏れの跡がないか、季節の変わり目に一度は確認する習慣も必要だ。予備のウォッシャー液をトランクに保管する場合は、エンジンの熱や排気口など高温になる部分から離れた場所に置き、ふたをしっかり閉めて蒸気が漏れ出さないようにしなければならない。

事故などでウォッシャー液が漏れていることが確認された場合は、エンジンルーム周辺で火花が出る作業やエンジン始動を避け、十分に換気してから近づくのが安全だ。普段はガラスを洗浄するためのものと見なされがちなウォッシャー液だが、アルコール成分による火災リスクは軽視できない。成分と仕組みを理解し、基本的な保管・点検ルールを守るだけでも、万が一の際の危険を大きく減らすことができる。











コメント0