マレーシア航空の副操縦士、麻薬7万錠超を密輸か インドネシアで逮捕

マレーシアの航空会社に所属するパイロットが、乗客170人を乗せた旅客機でインドネシアに入国した際、麻薬7万錠余りを密輸しようとして摘発された。彼の手荷物からは、薬物検査の結果を偽装するために用意したと疑われる尿入りの小瓶まで見つかった。
10日、インドネシア税関と現地メディアなどによると、マレーシア人の39歳の男性パイロットA氏は先月28日、インドネシア・ジャカルタ近郊のスカルノ・ハッタ国際空港で麻薬密輸の疑いにより逮捕された。
A氏が手荷物を受け取った後、乗務員専用通路を利用して空港を出ようとしたところ、税関当局の検査を受けて犯行が発覚した。当局はX線検査とリスク分析を通じ、手荷物に不審な物質が入っていると判断したとされている。
手荷物を開けると、中から約26kgのMDMAが発見された。MDMAは一般に「エクスタシー」または「モリー」と呼ばれる合成麻薬で、強い興奮や幻覚などを引き起こし、過剰摂取した場合には体温上昇や心疾患などの危険な副作用をもたらす可能性がある。押収されたエクスタシーの錠剤だけで70,114錠に達した。このほか、メタンフェタミン4gも発見された。
さらに注目を集めたのが、小瓶一つだった。インドネシア当局は、手荷物から見つかった尿について、今後薬物検査を受ける場合に結果を偽装するために用意したものとみている。実際に公開された空港の防犯カメラ映像には、A氏が手荷物を受け取り、税関の検査区域へ移動した後、検査を受ける様子が記録されていた。
捜査の結果、A氏は麻薬をジャカルタまで運ぶ見返りとして、5万リンギット(約194万5,000円)を受け取ることになっていたとされる。現地警察によると、A氏は過去にもマレーシア・サバ州とジャカルタへメタンフェタミンを運んだ経歴があることが分かった。今回は現地のホテルで麻薬を引き渡すよう指示を受けていたという。
薬物検査でも衝撃的な結果が出た。A氏は逮捕直後に行われた尿検査で、MDMA、メタンフェタミン、コカインなどに陽性反応を示した。インドネシア当局はこれを根拠に、A氏がジャカルタ行きの飛行中に薬物を使用した可能性を指摘した。
A氏が搭乗した便には約170人の乗客が乗っていたが、マレーシア航空は、A氏が当時航空機を直接操縦した機長ではなく、操縦席の「オブザーバー」として搭乗していた副操縦士だったと明らかにした。また、逮捕前の2日間は非番だったと説明した。
今回の事件を受け、マレーシアの航空業界でも警戒が強まった。マレーシア・アビエーション・グループ(MAG)は、すべてのパイロットを対象に義務的な薬物検査を実施し、保安検査の手順も強化することを決めた。まず、マレーシア航空所属のパイロット約1,260人について、今月15日までに検査を完了する方針だ。
インドネシアは麻薬犯罪に非常に厳しい法律を適用する国だ。大量の麻薬密輸容疑が認められた場合、重刑や死刑まで言い渡される可能性があり、A氏が今後どのような処罰を受けるのかにも注目が集まっている。
