「死ぬなら一緒」機外へ吸い出されかけた夫、妻が足を離さず救う

2万フィート(約6000m)上空でエンジンの故障により機体の窓が破損し、機外へ吸い出されそうになった夫を、妻が体を張って引き留め、奇跡的に救った事故が後に明らかになった。
デイリー・メールによると、ギリシャのテッサロニキ空港を離陸し、ドイツのメミンゲンへ向かっていたライアンエアーのボーイング737-800型機で発生したこの事故は、まさに阿鼻叫喚の状況だった。
離陸直後に機体エンジンの一部が破損し、発生した破片が窓を強打したことで、窓側に座っていたセルビア出身の乗客リュビシャ・カロビッチさんが割れた窓の隙間から機外へ吸い出され始めた。
機体が激しく揺れる中、カロビッチさんの上半身が機体の外へ投げ出された瞬間、隣に座っていた妻スベトラーナ・グルコビッチさんが即座に夫の足をつかんだ。
グルコビッチさんは現地メディアとのインタビューで当時の状況を振り返り、「夫が外に巻き込まれる瞬間、とっさに足をつかんだ。あの時は『死ぬなら一緒』という考えしかなかった」と緊迫していた当時の心情を語った。
妻の奮闘は約5分間続いた。機内に酸素マスクが降りるなどパニック状態に陥ったにもかかわらず、グルコビッチさんは夫の足を離さず、周囲の乗客に助けを求め続けた。
結局、現場にいた他の乗客が駆け寄り、グルコビッチさんと共にカロビッチさんを客室内に引き戻したことで、悲劇を免れることができた。
救助されたカロビッチさんは直ちに病院に搬送された。彼は重度のショック状態に加え、身体のあちこちに摩擦火傷を負い、当時の衝撃で言葉を発することもできないほど健康状態が悪化しているという。妻グルコビッチさんも夫をつかむ過程で手と腕にひどい火傷を負った。
航空機は事故直後に即座に空港に引き返し、テッサロニキ国際空港に緊急着陸した。搭乗していた妊婦一人も病院に搬送されたが、現在は容体が安定していることが確認されている。
今回の事故について、ギリシャ全国公立病院の関係者は「大惨事につながりかねない危険な状況だった」とし、「窓が完全に破損し、乗客が機体の外に投げ出された状況にも関わらず、妻の機転で命を救うことができた」と語った。
事件現場を目撃したある乗客は「酸素マスクをつけても生き残れるか確信できない恐怖の30分だった」と当時を振り返った。現在、現地当局は正確なエンジン破損の原因と窓破損の経緯を調査中だ。


