米、ハイチ送還便を月1回から週1回へ 30万人超が対象の可能性
送還便を週1回に…30万人以上の追放の可能性
ハイチの状況が悪化し続ける中、強制送還の拡大への懸念の声も

ドナルド・トランプ米政権がハイチへの送還航空便を月1回から週1回に拡大する計画だとニューヨークタイムズ(NYT)が27日(現地時間)に報じた。
一時的保護資格(TPS)の終了により、今夏に合法的な滞在資格を失ったハイチ人を迅速に送還するための措置だ。TPSは、本国での戦争や自然災害、社会不安などを理由に帰還が困難と判断された国の出身者に対し、米国での滞在と就労を一時的に認め、送還を制限する制度だ。
米国政府は航空便の拡大により、1か月に数百人のハイチ人を追加で送還できる可能性がある。ただし、政府関係者は計画がまだ最終決定されていないと述べた。
これに先立ち、米連邦最高裁判所は6月、トランプ政権がハイチ人に対するTPSを終了できると判断した。
トランプ政権は、ハイチで無法状態やギャング活動が続いているものの、TPSの対象とするほど危険な状況ではないと判断した。
しかし、ハイチの治安状況を考慮すると、追放拡大が不適切だという懸念も出ている。
ジョー・バイデン前米大統領政権でハイチ特使を務めたダニエル・フット氏は「ハイチの状況は、改善されていないばかりか、悪化し続けている」と述べた。そして、今回の送還対象には人生の大半を米国で過ごしたハイチ系移民も多く含まれる可能性があり、彼らが危険な環境に送られることを懸念した。
今回の強制送還措置により、米国で合法的に居住し働くことができた30万人以上のハイチ人が強制送還の対象となる可能性があるとの分析が出ている。
彼はトランプ政権がハイチを強制送還が可能なほど安全だと判断した根拠にも疑問を呈した。NYTによると、米国土安全保障省は2025年6月に国務省の意見を聞かずにTPS終了を決定した。通常、外国の治安状況などの評価には国務省が関与する。
米国務省は犯罪や誘拐、テロ、社会不安などを理由に米国人にハイチへの渡航を控えるよう勧告している。米連邦航空局(FAA)も今年初めに「継続的な不安定」を理由に首都ポルトープランス空港への民間航空機の着陸を禁止した。
米政府は強制送還措置を擁護している。マークウェイン・マリン国土安全保障長官はTPSについて「永久に運営されるように設計された制度ではない」とし、前政権がこれを「事実上の恩赦プログラム」として利用したと批判した。米移民・関税執行局(ICE)も最近、ハイチ系移民に出頭を求め、一部に電子足輪を装着するなど、取り締まりを強化している。
