AI需要急増で半導体後工程が設備投資を拡大、台湾大手5社で4600億台湾ドル超
先端パッケージ、AIサプライチェーンのボトルネックに
世界最大手ASEなどの台湾企業、相次ぎ設備増強
他社も投資額を20%以上引き上げ

人工知能(AI)需要が急増する中、半導体のパッケージとテストを手掛ける後工程企業も対応を急いでいる。世界の半導体後工程大手10社のうち4社を擁する台湾では、後工程設備の増強が活況を呈しており、今年計画されている投資額だけで4,600億台湾ドル(約2丁3,000億円)を超えたことが分かった。
23日(現地時間)、台湾の経済日報は、ASEホールディングス、PTI、KYEC、Sigurd、チップモスの後工程大手5社の設備投資計画を分析した結果、設備増強に向けた投資計画の総額が4,600億台湾ドルを突破したと報じた。
最も積極的に設備増強を進めているのはASEで、5社全体の投資計画の約70%を占めた。ASEは当初70億ドル(約1兆1,100億円)程度にしていた今年の投資額を2度にわたって引き上げ、105億ドル(約1兆6,700億円)にした。ASEの投資額が100億ドル(約1兆5,900億円)を超えるのは今回が初めてになる。年間投資計画のうち約40億ドル(約6,357憶4,100万円)を新工場の建設やインフラ整備に、65億ドル(約1兆330憶円)を生産設備の導入に充てる予定だ。現在、ASEは13件の新築工事と8件の改修工事を同時に進めている。
ASEの呉田玉COOは「今年だけでなく、来年の需要についても見通しが立っている」とし、「既存製品への需要が強いだけでなく、新製品や新規プロジェクト、追加の工程が同時多発的に押し寄せており、投資を再び大幅に拡大せざるを得ない状況だ」と説明した。
メモリーや先端パッケージを手掛けるPTIも投資を大幅に増やした。今年の設備投資額の上限を従来の約400億台湾ドル(約2,000憶3,000万円)から500億台湾ドル(約2,500憶3,700万円)へと25%引き上げた。PTIは「今年は売上高、稼働率、利益率が四半期ごとに上昇すると楽観視している」とし、「AIがけん引する需要の勢いが受注や投資判断に反映されている」と明らかにした。
ディスプレードライバーICやメモリーのパッケージを手掛けるチップモスは、これまで毎年、売上高の約20%だった設備投資の比率を今年は25%以上に引き上げることを決めた。来年も25%以上の投資が見込まれている。

テスト分野を専門にする企業でも、投資規模が急速に拡大している。KYECは今年の設備投資額を当初約393億台湾ドル(約1,963憶8,000万円)に計画していたが、高性能チップのテスト需要が増え続けていることを受け、500億台湾ドル(約2,498憶2,400万円)へと27%引き上げた。
シグルドは今年5月、年間設備の投資額を59億台湾ドル(約294憶7,900万円)から88億台湾ドル(約439憶6,900万円)に増額し、グループ全体の投資額は186億台湾ドル(約929憶3,500万円)に達するとの見通しを示した。さらに7月末には、子会社の格星股份有限公司が新規プロジェクトに必要な設備の購入やクリーンルームの改修に20億台湾ドル(約99億9,400万円)を追加投入した。直近の投資状況を踏まえると、グループ全体の設備投資額は200億台湾ドル(約999憶3,900万円)以上に迫っている。
AI半導体の先端パッケージは、AIサプライチェーンにおける主要なボトルネックとして指摘されてきた。TSMCの魏哲家会長は今年6月の株主総会で、同社の先端パッケージ技術「CoWoS(Chip on Wafer on Substrate)」を利用する今年のAIアクセラレーターチップの生産予定分がすべて売り切れたことを明らかにした。
CoWoSは現在、納期が52~78週間に達しており、今すぐ発注しても製品を受け取れるのは2028年半ば以降になる。後工程への注文が殺到する中、TSMCは競合するインテルに半導体の先端パッケージ後工程の一部を委託するという異例の決定まで下したと伝えられている。
