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2026年8月31日(月) 東京 --

トヨタ、次世代レクサスEVを上海で先行生産 2027年秋から月産1000台規模

次世代「レクサス」SUVを上海で先行生産へ

最新モデルの海外先行投入は極めて異例
「日本中心」のクルマづくり、その公式に地殻変動

引用:TOYOTA公式ホームページ
引用:TOYOTA公式ホームページ

中国自動車業界の「迅速な開発・現地技術の吸収」という手法が、グローバル完成車メーカーの新たな標準として定着しつつある。トヨタ自動車も次世代電気自動車(EV)を日本ではなく中国で先行して生産することを決めた。世界最大のEV市場である中国が、単なる販売先にとどまらず、次世代の自動車技術と開発手法を試す「先行市場」へと変貌しているとの評価が出ている。

28日付の日本経済新聞によると、トヨタは2027年秋、中国・上海の新工場で次世代EVの生産に乗り出す。高級ブランド「レクサス」のスポーツ用多目的車(SUV)として投入する計画だ。初年度は月産1,000台規模で生産を開始し、2028年以降は年間数万台規模へと拡大する。

トヨタが最新モデルを日本ではなく海外で先行投入するのは極めて異例だ。同社はこれまで、ハイブリッド車(HV)の「プリウス」や燃料電池車(FCV)の「ミライ」など、先端技術を搭載した車両を国内で開発・生産した後、日米を中心に販売を広げるという手法で世界市場を開拓してきた。

今回はその順序が逆転した。次世代EVには、アルミダイカスト設備で車体部品を一体成形する「ギガキャスト」を初めて採用する。部品点数と組み立て工程を減らして生産スピードを引き上げ、対象部品の重量を従来比で最大20%ほど軽量化できる。車体剛性も高まり、1回の充電あたりの航続距離も伸びると見込まれている。

トヨタが中国を次世代EVの最初の生産地に選んだのは、自動車産業の重心が急速に中国へとシフトしているためだ。英国の調査会社グローバルデータによると、2025年の中国のEV販売台数は857万台に達し、世界全体の60%を占める見通しだ。これは欧州の約3倍、日本の100倍を超える水準だ。2030年には1,141万台にまで増えると予測されている。

引用:TOYOTA公式ホームページ
引用:TOYOTA公式ホームページ

中国は市場規模だけでなく、クルマづくりの手法においても既存の完成車メーカーにプレッシャーをかけている。伝統的な自動車メーカーが新型車の開発に通常4〜5年を費やすのに対し、中国の新興EVメーカーは約2年で新車を投入する。市場の反応を素早く製品に反映させ、バッテリーやソフトウェア、通信機器など、現地メーカーの最新技術を直ちに車両に実装する手法だ。

トヨタもこうした「中国式」の開発手法に適応しつつある。中国では低価格帯のSUVや華為技術(ファーウェイ)の車載情報端末を搭載した車両などを販売しており、今回は「レクサス」クラスの次世代EVまでも現地で開発・生産する。日米ではハイブリッド車やガソリン車に軸足を置き、中国ではEVを中心に展開するという「マルチパスウェイ(全方位)」戦略の一環だ。

当初、トヨタは日本国内で車高の低いクーペ型の次世代EVを開発していたが、今春にその計画を中断した。代わりに、SUV型EVの需要が大きい中国市場をターゲットにした車両開発に集中することに舵を切った。中国では、比亜迪(BYD)をはじめとする現地メーカーが大型SUVの新車を相次いで投入し、熾烈な競争を繰り広げている。

グローバル完成車メーカーも同様の動きを見せている。日産自動車は、中国での新車開発期間を約26カ月と、従来の半分程度に短縮する方針だ。独フォルクスワーゲン(VW)は中国のEVメーカーと提携し、2030年までにEVなど最大50車種の新エネルギー車(NEV)を投入する計画を打ち出している。

かつて日独の自動車メーカーが品質管理と生産効率を武器に世界のクルマづくりを主導してきたとすれば、今や短い開発サイクルと現地の先端技術の迅速な実装に代表される「中国式クルマづくり」が、新たな競争の基準として浮上している。トヨタの次世代EVの中国先行生産は、こうした変化が世界最大の自動車メーカーにまで波及し始めたことを示す象徴的な事例と言える。

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