6884億円のローマン宇宙望遠鏡打ち上げ、ハッブルの100倍の視野
1990年のハッブル、2021年のウェブ宇宙望遠鏡に続き…巨大な視野角とスーパースピード

米航空宇宙局(NASA)は30日、恒星の周りを回る惑星を探し、謎の宇宙の膨張を加速させる謎の「暗黒エネルギー」を探索するなど、宇宙を今までとは異なる視点で観測できる機器を宇宙に打ち上げた。
イーロン・マスクのスペースXは、米フロリダ州ケネディ宇宙センターで推進力3倍のファルコンヘビーロケットに43億ドル(約6,884億4,500万円)相当の「ナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡」を搭載し、未明に打ち上げた。
ロケットから分離したローマン望遠鏡は、NASAの別の宇宙望遠鏡であるウェブ宇宙望遠鏡がある地球から160万km(約100万マイル)離れた観測点に向かって疾走した。
NASAの初代主任天文学者である故ナンシー・グレース・ローマンにちなんで名付けられたこのバスほどの大きさの望遠鏡は、目的地である観測点に約3ヶ月後に到着する予定だ。
到着後、ナンシー・ローマン望遠鏡は前例のないスピードで視線を動かし、宇宙に隠れている想像を超えたものを発見すると期待されている。
ニッキー・フォックスNASA科学ミッション局責任者は「数千の超新星、数万の惑星(浮遊惑星)、数十億の銀河、そして数百億の恒星を発見するだろう」と語る。
これは巨大な視野角により、今までできなかったことを実現する予定だという。
ローマン望遠鏡は、NASAの第1世代宇宙望遠鏡ハッブルの100倍以上の視野角を持つ。ハッブル望遠鏡は36年目の今でも色鮮やかな宇宙写真を数多く撮影し続けている。
4年9ヶ月前に宇宙撮影を開始したジェームズ・ウェッブ望遠鏡は、視野角は狭いが、宇宙誕生の宇宙初期の天体をズームできる精密な視野を誇る。
ハッブル、ウェブ、そしてローマンの3つの宇宙望遠鏡は、軌道上で欧州宇宙機関ESA製作のユークリッド宇宙船およびチリにある米国立科学財団(NSF)運営のベラ・ルービン天文台と協力し、宇宙の秘密を一つずつ解き明かしていく。
天の川銀河の向こうには無数の銀河があり、一つの銀河には太陽系のような惑星を従えた星が数千億個も発見されるのを待っている。
広大な視野角を持つローマン望遠鏡が「干し草の山から針を探す」ような新しい恒星と新しい惑星を発見すれば、より感度が高く解像度の高いウェッブ望遠鏡がより詳細な情報を見つけ出して提供することになるだろう。
さらに重要なのは、宇宙空間の大部分を占めているにもかかわらず、ほとんど知られていない暗黒物質と暗黒エネルギーにローマンがどのような光を当てるかという期待だ。
ローマンが作成する銀河カタログは、宇宙がこの目に見えない謎の力によってどれほど速く膨張しているかを明らかにするだろう。
ローマン宇宙望遠鏡の観測速度は超高速だ。
ローマンが素早い目で天の川銀河を1ヶ月間観測する量は、ハッブルが100年かけて行うべき量に相当する。
この望遠鏡は燃料補給が可能なように設計されている。つまり、ロボット給油機が10年以内に実用化されれば、この望遠鏡の運用寿命を延長できる。
ローマンはNASAが初めて女性を称えて名付けた望遠鏡だ。ナンシー・グレース・ローマンは「ハッブル望遠鏡の母」と呼ばれている。NASA創設後間もない1959年にNASAに入ったローマンは、地球のかすかな大気を超えて宇宙空間に天文観測の望遠鏡を送れば、宇宙をはるかに遠く、そしてより詳細に観測できると主張した。
ナンシー・ローマンは2018年に93歳で亡くなった。
ハッブル望遠鏡は1990年に宇宙に打ち上げられたが、望遠鏡の主鏡に欠陥があり、宇宙飛行士の船外活動による修理が必要だった。ローマンの主鏡はハッブルと同じ大きさの直径約2.4メートルで、偵察衛星用に製作されたものの余剰品を利用している。


