キオクシア、岩手に1兆円超投資 AI需要に対応し新工場

半導体メモリー大手キオクシアが、人工知能(AI)の普及に伴うメモリー需要の急増に対応するため、岩手県に1兆円以上を投じ、新たな生産棟を建設する。
27日の日本経済新聞(日経)によると、キオクシアの経営陣は同日、首相官邸を訪れ、新生産棟の建設計画を正式に発表するという。キオクシアの早坂伸夫社長は6月の投資家向け説明会で、2029年以降の稼働を目指す新生産棟の建設について「議論を始めた」と明らかにしていた。
新生産棟では、データを長期間保存するために使われるNAND型フラッシュメモリーを量産する。キオクシアは現在、三重県の四日市工場と岩手県の北上工場の国内2か所に生産拠点を置いている。新生産棟は北上工場の敷地内に建設される3棟目の生産棟になる。
キオクシアはすでに、半導体製造装置メーカーなど一部の協力企業と、新生産棟に導入する装置の購入に向けた協議を始めている。大規模投資の負担を軽減するため、経済産業省の補助金も活用する見通しだ。米メモリー大手サンディスクも今回の投資に共同で参画する。
キオクシアは世界のNAND型フラッシュメモリー市場で、売上高ベースで韓国のサムスン電子とSKハイニックスに次ぐ3位につけている。サムスン電子とSKハイニックスが韓国内で相次いで大規模な投資計画を打ち出すなか、キオクシアも本格的に増産競争に乗り出す格好だ。
政府は、経済安全保障上の戦略物資である半導体の国内生産拡大を推進している。高市早苗政権は、重点的に育成する17の戦略分野の一つに半導体を位置付けている。キオクシアの今回の投資は、AI向けメモリーの競争力強化とともに、政府が進める半導体サプライチェーンの国内基盤強化戦略に呼応する動きとみられる。

