国債・株式の決済を24時間即時化へ 政府・日銀、2030年代にも
「2030年代にも導入の見通し」
売却代金を即時受け取り、次の投資に活用

政府と日本銀行は、ブロックチェーン技術を活用し、国債や株式の資金決済を24時間、即時に完了できる仕組みを構築する。26日の日本経済新聞(日経)によると、金融庁と財務省、日銀などは今夏に協議体を立ち上げ、来年初めまで関連インフラの整備計画をまとめる方針だという。日経は、導入方針が固まれば2030年代前半にも開始できるとの見通しを示した。
仕組みの柱になるのは、民間銀行が中央銀行である日銀に預ける「日銀当座預金」の一部を、ブロックチェーン上で流通するデジタル通貨「トークン」に転換することだ。従来のシステムでは、証券保管振替機構など第三者の仲介機関が取引双方の状況を確認する必要があるため、決済までに時間差が生じる。一方、ブロックチェーン上の「スマートコントラクト」を活用すれば、第三者を介さず証券と資金を同時に受け渡す「DVP(Delivery Versus Payment)」を実現できると期待されている。
日本では株式を売却すると2営業日後、国債は1営業日後に売却代金を受け取る。しかし、決済までの時間差がなくなれば、投資家は株式や国債の売却代金を即座に次の投資に充てられるようになり、金融市場に大きな影響を与えるとみられる。大手銀行や証券会社はすでに、国債や株式をトークン化し、ブロックチェーン上で管理するシステムの実証実験を進めている。米国も2024年に同様の制度を導入し、定着させている。
一方、慎重な見方もある。米国のように制度改正によって決済期間を短縮しても、時差の関係から外国人投資家にとっては1営業日後(T+1)の決済が実質的に即日決済に近くなり、両替や資金移動を短時間で済ませる必要があるためだ。こうした決済時間の不足が外国人投資を萎縮させる可能性があるとの分析も出ている。
日経は、政府の実験が国際送金にまで拡大する可能性があると伝えた。国際決済銀行(BIS)が2024年からブロックチェーンを活用した国際送金の実証プロジェクトを進めており、政府の事業がこれを支える基盤になり得るとの分析だ。日本は決済技術の競争で後れを取れば、海外投資家を失う恐れがあると懸念している。政府が関連予算を2027年度分から計上し、その後、複数年度にわたって資金を投入する「特別投資の対象」に含める可能性もあるとみられている。
