テレワーク31.5%→14.5%、5年で半分以下 日本企業が出社を増やす理由

コロナ禍をきっかけに定着したテレワーク文化が、企業の間で急速に後退している。オフィスへの出社回数を増やしたり、テレワークそのものを事実上廃止したりする企業が相次ぐ中、一部の社員は突然の勤務形態の変更に反発し、退職を検討しているという。
26日の朝日新聞によると、日本のIT企業LINEヤフーは昨年4月から、部署ごとに週1回または月1回の出社を義務付けてきた。その後、今年5月からは出社回数を週3回に増やした。
同社はコロナ禍以降、テレワークを幅広く認めており、昨年4月までは社員にオフィスへの出社を義務付けていなかった。
出社を増やした理由について、「日常的な会話を通じて社員同士のつながりを強め、意思決定を迅速化するため」と説明している。
テレワークを縮小する動きは、ほかの企業にも広がっている。世界的なコンサルティング会社アクセンチュアは昨年6月からテレワークを事実上廃止した。通信大手のKDDIも昨年7月に本社を新社屋へ移転した後、オフィススペースを拡充し、社員の出社を促している。
菓子メーカーのカルビーも昨年5月、オフィススペースを拡大し、全社員が利用できる座席を設けるなど、出社勤務を増やす方向へ運用を変更した。
実際、日本の会社員のテレワーク率もコロナ禍当時と比べて大幅に低下している。日本生産性本部が先月、企業や団体で働く1,100人を対象に実施した調査によると、自宅など会社以外の場所で働いていると答えた人は14.5%にとどまった。新型コロナウイルスの感染が拡大していた2020年5月の31.5%と比べると、半分以下の水準だ。
テレワークには利点がある一方、管理面での負担が増えるとの指摘もある。ある企業の人事担当者は「テレワークは時間を効率的に使うことができ、意思決定も速くなるという利点がある」と話した。一方で、「業務の進捗を確認したり、部下の状態を把握したりする際、中間管理職の負担が大きくなる」と指摘した。
一方、企業が出社を強化したり、テレワークを廃止したりする過程で、社員の反発が強まるケースもある。GMOインターネットグループの創業者、熊谷正寿代表は先月14日、自身の「X(旧Twitter)」で、グループ全体で推奨してきたテレワークを完全に廃止する方針を明らかにした。
熊谷代表は「テレワークはコミュニケーションや教育など、さまざまな面でマイナスだ」と主張した。
さらに、テレワークを認めて以降、社員の1時間当たりのPCキーボード入力回数が目に見えて減少したと主張し、社内外で議論を呼んだ。批判が相次ぐと、熊谷代表は「テレワークという働き方そのものを否定しているわけではない」と釈明した。
LINEヤフー社内でも、会社の方針転換に不満を示す声が出ているという。朝日新聞は、LINEヤフーの社員の一人が「突然の方針転換に対する社員の反発はかなり大きかった。退職を決めた同僚もいる」と話したと伝えた。
専門家からは、問題はテレワークそのものではなく、それを運用する企業側の管理体制にある可能性も指摘されている。東京大学の佐藤博樹教授は「テレワークは普及したものの、それを支える適切な管理体制やルールを整備できていない企業も少なくない」とし、「十分なルールを整えなかったことで生じた生産性の問題を、テレワークそのものの問題だと誤って捉えている面がある」と指摘した。



