「民泊3,775施設」新宿が既存施設も原則禁止へ 年間180日→120日、何が変わる?
学校周辺も新規・既存の民泊を禁止
商業地域は年間120日への短縮を検討
苦情924件…1年で65%急増
東京23区全体に規制が拡大

日本国内で最も民泊施設が多い東京・新宿区が、住宅街や学校周辺での民泊営業を既存施設も含めて原則禁止する。騒音やごみに関する苦情が1年で65%急増したことを受けた措置だ。東京23区全域で規制が広がる中、住民の生活環境の保護と観光客の受け入れをめぐる対立も深まっている。
7日、日本経済新聞(日経)によると、新宿区は住民から意見を募り区議会での審議を経て民泊条例を改正し、2027年夏に施行するという。新宿区の民泊施設は3,775施設で、日本の自治体の中で最も多い。
改正案には、住居専用地域と学校などが集中する文教地区での民泊営業を原則禁止する内容が盛り込まれる。新規施設だけでなく、すでに営業している民泊も対象となる。商業地域では、営業可能日数を現在の年間180日から120日に短縮する案も検討する。
日本の住宅宿泊事業法(民泊新法)は、年間180日以内での営業を認め、地方自治体が条例によって地域や期間を追加で制限できると定めている。現在、新宿区では住居専用地域での平日の営業のみを禁止している。
しかし、2025年度の騒音やごみなどに関する民泊関連の苦情が924件に上り、前年比65%急増したことを受け、規制強化に乗り出した。新宿区は昨年から60施設に営業停止命令を、15施設には事業廃止命令を出している。
観光庁なども7月、住環境や教育環境が損なわれる恐れがある場合、地方自治体が条例によって民泊を禁止できるよう指針を改定した。既存施設の営業まで制限する措置であるだけに、新宿区は適用範囲を慎重に検討する方針だ。
民泊規制は東京23区全域に広がっている。江戸川区も条例制定に乗り出したことで、23区すべてが民泊の営業地域や期間を制限する規制を整備することになる。
豊島区は12月から区内の約70%の地域で民泊の新設を禁止し、既存施設の営業可能日数も年間180日から120日に短縮する。墨田区と葛飾区も今年4月から、民泊営業を週末を中心に制限している。
東京23区の民泊施設は昨年11月時点で約1万5,000施設に上り、5年前の2.2倍に増えた。民泊は新型コロナウイルス感染症の流行後に急増した外国人観光客を受け入れ、ホテル不足を補ってきた一方、騒音やごみ、無許可営業をめぐる住民からの苦情も増加させた。
日経は「観光客と宿泊施設の増加によって賃料が上昇し、従来から住んでいた住民が追い出される『ツーリズム・ジェントリフィケーション』が広がる兆しが見られる」と指摘した。短期的な観光収入よりも、住民構成や地域コミュニティーの変化がオーバーツーリズムのより大きな問題になる可能性があるという。
政府は、昨年4,268万人だった訪日客を2030年までに6,000万人に増やす目標を維持している。民泊規制が広がれば宿泊施設不足が深刻化し、外国人だけでなく日本人にとっても、安価に旅行できる手段が減少する可能性があると日経は伝えた。

