サケ漁獲量70%減、ホタテ価格3倍 北海道の海鮮丼と加工業はどう変わるのか
北海道の水産物、漁獲量が急減ウニ・サケ・ホタテの価格が急騰 加工業者は原価負担が増すばかり

北海道産のウニやサケ、ホタテなど主要水産物の漁獲量がこの5年間で大幅に減少し、価格もそろって上昇している。これに伴い、札幌二条市場の海鮮丼に使われる具材まで変わるなど、変化がみられる。
漁獲量減少で価格が急騰
25日、Nikkei Asiaの報道によると、観光客でにぎわう札幌二条市場の海鮮丼には最近、マグロやブリ、アジなど、従来あまり使われなかった具材が頻繁に載るようになっている。
ある飲食店の店主は「価格と供給の両方が安定している食材は、事実上マグロだけだ」とし、「以前から使ってきた食材は、ますます手に入りにくくなっている」と語った。
海鮮丼の具材が変わった背景には、北海道の主要水産物の漁獲量の減少があると分析されている。2020年から2025年までの間に、ホタテとウニの漁獲量はそれぞれ約20%急減したことが集計で分かった。エビは約40%、サケは約70%減少したことが確認されている。
供給が減った分、価格は大幅に上昇した。北海道が先月公表した資料によると、ウニ、毛ガニ、イクラ、ホタテの価格は2020年以降、いずれも上昇した。昨年のホタテの平均価格は1kg当たり395円で、2020年の3倍を超えた。エビとサケの価格も2倍超に上昇し、ウニは約90%、毛ガニとイカは約40%の上昇幅となった。
需給の逼迫は今年、さらに深刻化する見通しだ。北海道のある研究機関は、今秋のサケ漁獲量が、不振だった昨年の半分程度にとどまると見込んだ。ホタテの生産量もさらに減少するとみられている。
漁獲量は減ったものの、価格上昇を背景に漁獲額全体はむしろ増加したことが分かった。昨年の北海道の漁獲量は91万3,000トンと前年比15%減少した一方、漁獲額は13%増の3,230億円に達し、約30年ぶりの高水準となった。日本産水産物への海外需要の拡大も、価格を押し上げた要因として挙げられている。
加工業者に集中する原価上昇の負担
ただ、漁獲額の増加が加工業界の収益改善につながってはいないとみられる。原材料価格の上昇分を製品価格に完全に反映することが難しい加工業者が、コスト負担をそのまま背負っているとの説明だ。
ホタテは殻を外し、サケは身をおろすなどの下処理が必要で、イクラも醤油や塩に漬けなければ全国の飲食店や家庭へ供給できない。水産物が消費者の食卓に上るまでには加工工程が欠かせないため、加工業者の役割も大きいが、原材料不足と調達費の上昇がこうした業者の経営を圧迫している。
国内最大の水産物加工拠点である北海道でさえ、加工施設はここ数年、減少傾向にある。原材料不足と調達費の急騰に耐えられない業者が廃業しているためだ。水産物加工は専門技術と相当な投資を必要とする分野であり、既存業者が姿を消しても、新たな業者がすぐに参入するのは容易ではないとの見方が出ている。
北海道釧路市の水産加工会社マルサ笹谷商店の笹谷剛代表は「水産物価格の上昇分を加工業者が背負う構造になっている」とし、「業界が弱体化し続ければ、設備投資のような新たな試みすらできなくなるだろう」と懸念を示した。
