国宝汚損で最長5年の拘禁刑 台湾の元俳優は日本でどう裁かれるのか

台湾の司会者で元俳優の蔡宜臻容疑者(39)が、日本の国宝に液体をかけて汚損した疑いで奈良県警に逮捕された。
23日、朝日新聞などによると、奈良県警は台湾出身の39歳の女を文化財保護法違反の疑いで逮捕したと発表した。逮捕されたのは、台湾でテレビ番組の司会者を務め、俳優としても活動してきた蔡宜臻容疑者だった。
蔡容疑者は4月6日午後1時20分ごろ、奈良市西ノ京町の薬師寺大講堂に安置されている国宝「仏足石」に液体をかけ、汚損した疑いが持たれている。
「仏足石」は、仏陀の足跡を石に刻み、信仰の対象とした仏教の造形物だ。奈良時代の753年に作られ、日本に現存する仏足石では最古とされている。

かけられた液体からは、化粧水や美容液などに使われるグリセリンが検出された。
警察は周辺の防犯カメラ映像から蔡容疑者を特定したが、その時点ですでに日本を出国し、台湾に戻っていた。
その後、今月22日に蔡容疑者が関西空港から日本に入国しようとしたところ、警察がその場で逮捕した。
蔡容疑者は警察の調べに対し、液体をかけたことを認めた上で、「普段から感動したものに油をかけて祈る習慣がある。仏足石にも強く感動し、油をかけた」と説明しているという。

台湾のネットユーザーからは、日本の国宝を汚損した蔡容疑者に対し、「台湾の恥だ」などと批判が相次いでいる。特に、事件当時に日本で撮影した旅行写真をSNSからひっそりと削除したことで、批判はさらに強まっている。
所属事務所は「世間をお騒がせしたことを深くおわび申し上げる」と謝罪し、「現在、本人と直接連絡が取れないため、家族や日本の弁護士を通じて状況を確認している」と明らかにした。その上で、「確認されていない情報によるさらなる誤解を避けるため、これ以上の取材には応じない」とし、「調査に必要な時間をいただきたい」と理解を求めた。
蔡容疑者はすでに検察に送致されている。警察は周辺の防犯カメラ映像などを基に、奈良県内のほかの観光地や文化財でも同様の行為をしていなかったか、さらに調べている。
日本の文化財保護法では、国宝を含む重要文化財を損壊した場合、5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科される可能性がある。
