
トヨタ、ホンダ、日産自動車など日本の完成車メーカーと部品メーカーが、部品の不良判定基準を共通化する。各社が個別に不良と判断してきた部品についても、新たな共通基準で問題がなければ採用する仕組みへと移行するもので、中東情勢の悪化による原材料調達の不安定化を受け、国内調達の安定性を高めることが主な目的だと日本経済新聞が明らかにした。
共通基準は、完成車8社とトラック・バスメーカーが参加する日本自動車工業会(JAMA)と、約450社の部品メーカーで構成される日本自動車部品工業会(JAPIA)が共同で策定する。部品ごとの基準は2026年内に順次適用される予定としている。
これまで部品メーカーは、性能に影響を与えない微細な黒点や傷が見つかれば自主的に廃棄してきた。今後は国の基準を満たし、機能と外観に問題がなければ完成車メーカーがこれを受け入れる方向で調整が進む。業界では、過剰品質の削減と歩留まり向上につながるとみられている。
具体例として、自動車の電子機器を接続するプラスチック製コネクター部品では、基準の共通化により国内で月間約1万個の廃棄削減が見込まれている。不良品の大半を占めるとされる「ブラックポイント」も対象に含まれる。これまで不良と判断されていた余剰部分の残存についても、機能や品質に問題がなければ使用を認めることで、廃棄削減に加え、検査工程の効率化や検査時間の短縮にもつながると期待されている。
ただし、これまでは完成車メーカーごとに品質基準が異なり、車両装着時に目立たない微細な傷や黒点が基準に合致するかどうかについて、解釈が各社で一致していなかった。業界では、今回の統一方針がこうした不確実性の低減につながるとみている。
この動きは、中東情勢の悪化によりプラスチックや内装材の原料となるナフサの調達が困難になるとの懸念とも関連している。部品の生産遅延リスクが高まるなか、メーカー各社には歩留まり改善への圧力が増す一方だ。
人手不足と原材料価格の上昇も負担となっている。製造業従事者の賃金は近年継続的に上昇しており、人件費の増加が業界全体に重くのしかかる。同時に、中国のEVメーカーや部品メーカーが開発速度とコスト競争力の面で存在感を増しており、日系メーカーへの競争圧力も増す。日本の部品メーカーは、生産効率の向上と環境対応の両立を迫られる状況だ。
トヨタは専任組織を設置して部品メーカーとの統一基準に基づく判定を開始しており、トヨタ、ホンダ、日産などは共同判定会を定期的に開催している。トヨタグループに内装部品を納入するサプライヤーの一社も、名古屋市の本社に作業体験展示室を設置するなど、中小サプライヤーへの支援を拡充している。











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