「AIで大卒者の仕事が消える?」米テキサスで求人8%減、広がる“ホワイトカラー危機”
AIの影響受けやすい職種の求人が減少…ソフトウェア開発やウェブデザインなど 研究チーム、大卒者の雇用や賃金にAIの影響がまず表れる可能性を指摘

人工知能(AI)の普及により、米国で大卒者の就職が厳しくなっているとの分析が出ている。ソフトウエア開発やウェブデザインなど、AIに代替されやすい職種を中心に求人が減少しており、社会人として第一歩を踏み出す若年層が最初に打撃を受けているという。
1日(現地時間)、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、ダラス連邦準備銀行の研究チームは、2022年のChatGPT発売以降、テキサス州でAIの影響を受けやすい職種の求人が減少したとの分析を発表した。
特に2025年第1四半期には、AIの影響を受けやすい職種の求人が、影響を受けにくい職種と比べて約8%減少した。大卒者や転職者が相対的に大きな影響を受けたことも分かった。
研究チームは、「生成AIが急速に導入される中、最近の大学卒業者の失業率が異例の高水準に達している」と指摘し、「AIが雇用や賃金に及ぼす影響は、大学卒業者にまず表れる可能性がある」と分析した。
AIの影響を受けやすい職種としては、ソフトウエア開発やウェブデザインなどのコンピューター関連職が挙げられた。また、管理職や事務職、編集者などのホワイトカラー職も、AIの影響を受けやすいことが分かった。
AIによって若者が最初に就く仕事が減少するとの懸念は、米国にとどまらず、世界的に高まっている。国際労働機関(ILO)によると、北米地域の若年失業率は2023年の8.3%から2025年には9.8%に上昇した。北・南・西欧の若年失業率も2025年には15%に達した。特に、若者が労働市場に参入する足掛かりとなってきた事務・行政職や製造業関連の仕事、一部の技術職などで減少傾向が見られた。
ILOで雇用・技術・持続可能企業局長を務めるスクティ・ダスグプタ氏は、「AIが雇用に与える直接的な影響はまだ明確ではないが、リスクを過小評価してはならない」と述べた。
AI産業の中心地であるテキサス州では、データセンターに対する反発も強まっている。同州は現在、米国で建設中のデータセンターの容量が最も大きい州となっている。
AI産業を積極的に支援してきたテキサス州のグレッグ・アボット知事も、11月の中間選挙を前にデータセンターへの有権者の反発が強まる中、批判的な姿勢を示すようになった。
米国全土でも、データセンターの建設に反対する声が広がっている。ペンシルベニア大学アネンバーグ公共政策センターが昨年7月に実施した調査では、米国の成人の61%が、自分が住む地域にデータセンターが建設されることに反対すると回答した。前年2~3月の調査と比べて12ポイント高い水準となった。
