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2026年9月1日(火) 東京 --

中国の貿易黒字1.2兆ドル、米国がG20に対中共同関税を提案へ

対中共同関税をG20に提案へ

ベセント米財務長官 貿易黒字1.2兆ドルに圧力

対中圧力を二国間から多国間へ、人民元切り上げを求める声も

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
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米国が中国との貿易戦争を新たな段階へ進めようとしている。単純な二国間対立から、主要20カ国・地域(G20)による多国間の圧力へと枠組みを広げる戦略だ。

米国市場から締め出された中国製品が欧州や中南米などへ流れ込む「風船効果」を防ぎ、中国の巨額な貿易黒字を減らす狙いがある。米経済界では、主要国が共同関税をてこに人民元の切り上げを促す「新たなプラザ合意」が必要だとの主張も出ている。

ベセント長官、G20に対中貿易障壁を要請へ

スコット・ベセント米財務長官は、G20財務相会議を翌日に控えた30日(現地時間)、ロイター通信のインタビューで「世界的な不均衡を是正する手段として、中国との貿易条件を見直すようG20各国に促す予定だ」と述べた。

米国と同様に中国製品へ高い関税を課し、一部品目に輸入規制を設けるなど、各国に具体的な対応を求める考えだ。

ベセント長官は、中国政府に対して、輸出ではなく内需の拡大に力を入れるよう圧力をかける必要があるとも主張した。

中国では内需の低迷により、国内で消化できない過剰生産品が安価で輸出されている。その結果、輸入国では製造業の基盤が損なわれ、貿易赤字や債務の増加につながっているというのがベセント長官の見方だ。

同長官は「低迷する内需を輸出で補おうとする中国を止められるかどうかは、他国の対応にかかっている」と強調した。

米政権の狙いは、対中貿易戦争を二国間対立から多国間の圧力へ転換することにある。米国のけん制にもかかわらず、中国の貿易黒字は減っていない。

中国海関総署とゴールドマン・サックスによると、中国の貿易黒字は2021年の6764億ドル(約108兆800億円)から、昨年には1兆1890億ドル(約189兆9700億円)へ増加した。今年は1兆2000億ドル(約191兆7200億円)に達する見通しだ。

米国市場から締め出された中国製品が、欧州や中南米などへ流入した「風船効果」が背景にあると分析されている。

人民元切り上げを促す「新プラザ合意」構想

中国の巨額な貿易黒字は、貿易相手国の赤字拡大につながる。年間1兆ドル(約159兆7700億円)を超える中国の黒字を、世界経済が今後も受け入れ続けることは難しいというのがベセント長官の警告だ。

中国による輸出攻勢への各国の警戒感も高まっている。米経済界では、人民元の切り上げを促す新たな「プラザ合意」が必要だとの声が出ている。

1985年のプラザ合意では、米国、日本、西ドイツ、英国、フランスが協調し、ドル安と円高を誘導した。急増していた米国の貿易赤字を減らすことが目的だった。

今回提案されている構想は、1985年の合意とは異なる。過大評価されたドルを引き下げるのではなく、適正価値に比べて最大35%過小評価されているとされる人民元を切り上げることが主な目的だ。

人民元の価値が低ければ、中国製品の価格競争力が高まり、輸出に有利に働く。ゴールドマン・サックスによると、中国の生産コストは海外の競合企業と比べ、電気自動車で32%、冷蔵庫で38%、靴で53%程度低いと分析されている。

米経済界では、主要国が中国製品に共同関税を課し、中国が人民元を切り上げた場合には関税を引き下げる方式が提案されている。

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は「過大評価されたドルの価値を下げるのではなく、過小評価された人民元の価値を引き上げることを目標にすべきだ」と主張した。

G20による対中共同戦線は実現するか

昨年、中国との貿易で4120億ドル(約65兆8300億円)の赤字を計上した欧州連合(EU)は、中国製品への警戒を強めている。ただ、中国への高い貿易依存度も無視できない。

ブラジルをはじめとする中南米諸国も、中国に対して全面的な貿易障壁を設けることには消極的になる可能性が高い。米国の要求をG20各国がそのまま受け入れるかどうかは不透明だ。

10月に予定されているEUと中国の貿易交渉は、対中多国間圧力の実現可能性を占う重要な節目となる見通しだ。

米国がG20各国の協力を取り付けるには、関税や輸入規制を求めるだけでなく、参加国が得られる経済的利益や支援策も提示する必要があるとの見方が出ている。

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