「円安も金利上昇も止まらない」日米が“安定した円”を強調、それでも市場が動く理由
10年債利回り3.015%、約30年ぶり高水準 日経平均は1,889円安
日米の財務当局が7月末の大規模な協調介入後、初めて会談し、秩序ある円相場を維持する重要性を確認した。しかし、その後も外国為替市場と国債市場は不安定な動きを続けた。
2日の東京外国為替市場で、円相場は前日比29銭円安・ドル高の1ドル=160円27~28銭で取引された。

日米が7月末に大規模な協調介入に踏み切った後、円相場は40年ぶりの円安水準となった1ドル=164円前後から、一時155円台まで上昇した。しかし、その後は再び円安基調が続いている。
中東情勢の緊迫化で原油価格が上昇し、輸入コストの増加が国内経済の重荷になるとの見方から、円売りが続いた。
米長期金利の上昇により、日米の金利差がさらに拡大するとの観測も、円を売る動きにつながった。
米ノースカロライナ州アッシュビルで開かれた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席したスコット・ベッセント米財務長官は、日本銀行の植田和男総裁、片山さつき財務相と相次いで会談した。
ベッセント氏は、政策金利の引き上げと安定した円相場の維持を求めたとされる。植田総裁との会談では「円の大幅な過小評価に対処するため、日本による断固とした市場措置と金融政策上の対応を強く支持する」と表明した。
2日の国債市場では、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが3.015%に上昇し、1996年9月以来、約30年ぶりの高水準を記録した。
前日にも10年債利回りは3%に達し、1996年10月以来の高水準となっていた。利回りの上昇は2日連続となった。
5年債利回りは一時、前日比0.055%高い2.310%を付け、過去最高を更新した。
20年債利回りも一時、前日比0.020%高い3.900%まで上昇し、1996年5月以来の高水準となった。
米長期金利の上昇が国内の国債市場にも波及したほか、日銀による追加利上げへの観測が一段と強まり、国債を売る動きが広がった。国債は価格が下落すると、利回りが上昇する。
植田総裁はG20財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見で、基調的な物価上昇率が、日銀の掲げる2%の物価安定目標に近づいているとの認識を示した。
政策金利については「次回を含め、毎回の金融政策決定会合でしっかり議論する」と述べた。市場では、連続利上げの可能性を否定しなかったとの受け止めが広がっている。
外国為替市場と債券市場の不安定な動きを受け、東京株式市場でも株価が大幅に下落した。
2日の日経平均株価は、前日比1,889円70銭(2.85%)安の6万4,325円64銭で取引を終えた。

