「面接したければ一生消えないロゴを体に刻め」…米AI企業の“忠誠心採用”に批判殺到

米国のAIスタートアップ企業が、自社のロゴのタトゥーを入れた人に面接の機会を与えるという異例の採用イベントを行い、「求職者を搾取している」との批判を浴びた。世論の反発を受け、最高経営責任者(CEO)は公の場で謝罪する事態となった。
ニューヨーク・ポストなどによると、企業向けのAIエージェントを開発するスタートアップ「レモンライム(Lemonlime)」は最近、米サンフランシスコで開かれたスタートアップイベントで、型破りな採用企画を用意した。
企画したレモンライムのCEOであるジョーダン・ジエッツ氏は、会場にタトゥーアーティストを招き、会社のロゴのタトゥーを入れれば、その場で面接を受けられると発表した。実際に7人がレモンライムのロゴを体に入れたという。
ジエッツ氏はその後、自身のLinkedInで「私たちと同じような挑戦心を持つ人材に出会いたかった」とし、「会社の使命にどれだけ献身できるかを重視した」と説明した。
しかし、この投稿がネット上で急速に広まると、批判も相次いだ。就職難のなか、追い詰められた求職者の弱みにつけ込んだマーケティングではないか、という声が広がったためだ。あるネットユーザーは「面接の機会を得るために、一生消えないタトゥーまで入れなければならない現実がやるせない」と批判し、別のユーザーも「就職を餌に、過度な忠誠心を求めたようなものだ」と指摘した。
批判が強まる中、ジエッツ氏は長文の謝罪文を公開し、「印象に残る形で人々と出会いたかったが、結果的に考えが足りなかった」と述べた。その上で、「意図はどうあれ、多くの人に不快な思いをさせたことは認める」と謝罪した。
一方で、参加者は全員が自らの意思でタトゥーを選んだのであり、会社が強要した事実はないと説明した。また、タトゥーを後悔する人がいれば、除去費用は全額会社が負担すると約束した。
イベントに参加した7人は現在、AIやエンジニアリング関連の職種で採用選考を進めているという。
一方で、「批判は行き過ぎだ」との見方もある。米防衛スタートアップ企業「アンドゥリル(Anduril)」の創業者であるパルマー・ラッキー氏は「成人が自分で下した選択なら尊重すべきだ」と述べ、「参加者全員を、保護が必要な存在として扱う必要はない」として、ジエッツ氏を擁護した。
