NVIDIAのファン氏、米従業員が選ぶ「最高のCEO」 支持率99%

時価総額で世界首位のエヌビディアを率いるジェンソン・ファン最高経営責任者(CEO)が、米国の従業員が選ぶ「最高のCEO」に選出された。人工知能(AI)ブームを追い風にエヌビディアを世界有数の企業へと成長させたうえ、従業員からも圧倒的な支持を得ていることが明らかになった。
米求人情報プラットフォーム「グラスドア」が14日(現地時間)に発表した「2026年の最高のCEO 50人」で、ファンCEOは従業員から99%の支持を得て1位となった。今回のランキングは企業や専門家による評価ではなく、従業員が投稿した匿名レビューを基に集計された。
エヌビディアの従業員はファンCEOを「ダイナミックで誠実なリーダー」、「ビジョンのある本物のリーダー」、「ロックスター」などと評価した。2位と3位は、洗車サービス会社「クイック・クワック・カー・ウォッシュ」と医療機器メーカー「ストライカー」のCEOで、それぞれ93%の支持を得た。IT業界では、サービスナウのビル・マクダーモット氏(13位)、ブルームバーグのブラッド・クリアチコ氏(35位)、アップルのティム・クック氏(37位)などがランクインした。
今回の調査は、従業員1,000人以上の米国企業のうち、2025年5月から2026年5月までに75件以上の有効な評価が寄せられた企業を対象に実施された。
ビッグテックが人員削減する中…従業員がジェンソン・ファンCEOを支持する理由
ファンCEOへの高い支持の背景には、エヌビディアの急成長があるとの見方もある。1993年にエヌビディアを共同創業したファンCEOは、GPUの用途をゲーム用のグラフィックス処理にとどめず、大規模な演算処理にも広げた。生成AIブームの中で、エヌビディアのGPUはAIデータセンターに欠かせない中核的な製品となり、同社は世界で時価総額首位の企業へと躍進した。
足元でビッグテック企業が、ビッグテック企業がAI投資の拡大やコスト削減を背景に相次いで人員を削減する中、エヌビディアの動きは対照的だ。メタやマイクロソフトなどが組織再編や効率化の一環として大規模な人員削減に踏み切る一方、エヌビディアはAI事業の拡大に合わせて人員を増やしてきた。
エヌビディアがこれまで大規模な人員削減を一度も行っていないわけではない。創業初期には資金難から従業員数を大幅に減らし、2008年の世界金融危機の際にも全従業員の約6.5%を削減した。その後は、大規模な人員削減をできる限り避けてきたとされる。
従業員から圧倒的支持…ジェンソン・ファンCEOが築いた組織文化
ファンCEOに対する従業員の強い信頼には、同社の組織文化も影響しているとの見方がある。海外のビジネスの現場でエヌビディアの従業員と交流したある大学教授は「ファンCEOについて悪く言う従業員を一人も見たことがない」と述べ、従業員からの強い支持に驚いたという。
エヌビディアは、伝統的な大企業にみられる複雑な報告体制をとらず、組織全体で情報を共有し、迅速に意思決定する文化を重視してきた。ファンCEO自身が技術や事業の方向性を示し、従業員と共有するスタイルだ。
何より、会社の成長と雇用の安定性が従業員の信頼を高めたとの分析がある。テクノロジー企業では、市場環境の変化に伴う大規模な人員削減や組織再編が珍しくないのに対し、エヌビディアはAIとGPU事業の成長を背景に、従業員に長期的な成長機会を提供してきたという。
一方、米国企業の経営陣に対する従業員の評価は全体的に悪化している。グラスドアによると、今年の上級経営陣に対する従業員の評価は5点満点中3.5点を下回り、2017年以来の最低水準を記録した。こうした中、ファンCEOが99%という異例の支持を得たことで、エヌビディアの組織文化が改めて注目を集めている。
エヌビディアはCEOだけでなく、会社自体に対する評価も高い。グラスドアの「最高の職場」ランキングで3位に入り、グーグル(11位)、マイクロン(59位)、アップル(77位)を上回った。

