「ホテルには避難できても食事は自腹?」熊本地震で被災者を分けた“食費問題”
今年7月に発生した熊本地震を受け、ホテルや旅館などの二次避難所に滞在する被災者の「食費負担」を巡り、熊本県と熊本市で対応が分かれ、議論を呼んでいる。
朝日新聞の2日付報道によると、熊本県は先月の地震発生直後、学校の体育館などの一次避難所での生活が長期化すると、感染症や熱中症のリスクが高まるとして、国と連携し、被災者のホテルへの二次避難を迅速に導入した。
これにより、先月31日時点で県内のホテルなど204カ所に1,202人の被災者が滞在し、避難生活を送っている。
しかし、熊本県は1泊最大1万5,000円の宿泊費のみを公費で負担し、食費については被災者の「全額自己負担」を原則としている。
県内各地に点在するホテルへ弁当を届けるための人員や予算が不足しているほか、猛暑の中では食中毒のリスクが高いことなどを理由としている。

一方、熊本市は県のこうした方針とは別に、先月4日から市内外のホテル18カ所に避難している市民47人に対し、市の予算で食事を無償提供している。
熊本市は既存の避難所向けの食料供給に合わせ、毎日夕食用の弁当を届けるほか、朝食用のパンや野菜ジュースも提供している。
現行の災害救助法では、被災者の救助にかかる費用は国と都道府県の予算で賄うのが原則で、国と協議すれば食費の上限額(1日1,480円)を引き上げることもできる。
2024年の能登半島地震では、石川県が国との協議を通じ、上限額を超える食費についても公費で負担した。
それにもかかわらず、熊本県が国との食費の増額に向けた協議すら拒んでいることから、1食1,000円を超える外食費を負担しなければならない被災者の不満が高まっている。
食費の負担を理由にホテルへ移れず、環境の厳しい体育館の避難所にとどまっている被災者も出ている。
防災の専門家らは「災害救助で最も重要なのは、必要に即応することだ」とした上で、「費用や人手不足は理由にはならない。県は国と協議して食費の予算を確保し、食費を支給すべきだ」と指摘した。



